不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

27年度売上高1兆2,000億円へ/旭化成H

「自ら考え変化に対応していく人財の育成に取り組んでいく」などと述べた代表取締役社長の大和久 裕二氏

 旭化成ホームズ(株)は29日、「中期経営計画2027」(2025~27年度)を発表した。

 前中計(22~24年度)では「25年度売上高1兆円達成に向けた経営戦略の推進」「新戦略の起動」を目標に設定。建築請負部門の戸建て住宅事業は、大型化・高付加価値化を目指した新商品の投入、提案力の強化を図り、平均単価が3割以上上昇した。不動産開発事業は、出口強化として、旭化成ホームズ・アセットマネジメントを設立。仕入れ強化のため、THEグローバル社と業務および資本提携を行なった。これらを踏まえ、24年度の売上高は9,935億円(目標9,000億円)、営業利益は913億円(同900億)といずれも目標を上回り、4年連続で過去最高を更新した。

 新中計は、前中計で設定した「お客様や社会、社員にとって真に価値ある会社Essential Company」の目標達成に向けた第2ステップと位置付け(1)「住宅事業一体となった成長戦略」(2)「成長に向けた資源投下」(3)「経営基盤の高度化」の3つを基本方針に掲げた。

 (1)では、事業間連携の強化により、グループ一体で提供価値を高めていく。グループ各社が持つ顧客情報を連携し、一元化したデータ基盤を構築。蓄積したデータを分析し、顧客のニーズを可視化し、適切なサービスを適切なタイミングで提案できるようにする。(2)では、海外事業、不動産開発事業、住宅事業の3つに積極的に投資。特に海外事業は、成長を牽引するドライバーとして、M&Aなど積極的な投資を実行する。(3)は、人財戦略、事業創出基盤、環境戦略、デジタル戦略、ガバナンスに取り組む。人財戦略では、個の成長を後押しするとともに、互いの強みを掛け合わせ、強いチーム力を備えた組織への変革を進める。

 建築請負事業では、外向き営業体制による持続可能な集客構造への変革を行なう。集客ソースの多角化に取り組み、外部の関係各社との連携などにより、「紹介」が受注構成比で27年度50%(24年度38%)になるよう引き上げていく。また、土地を起点としたビジネスの強化として、土地関連事業の拡大を目指していく。
 不動産開発事業は、既存事業の仕入れ強化を目指し、強みであるマンション建て替え、再開発、等価交換を磨きながら、さらなる拡大を進めていく。再開発は、都心や地方中核都市へ積極的に参入。等価交換は事業間連携強化により情報取得を強化する。
 海外事業は、北米は既存事業の収益力の強化、エリア拡大投資の実行、北米新規事業の探索を行なう。豪州は、州別シェア拡大施策の実行、建売事業、土地開発事業など土地を生かした住宅事業拡大に取り組んでいき、27年度には売上高4,000億円を目指す。

 同社代表取締役社長の大和久 裕二氏は会見で「全体的には順調に進捗している。海外部門、不動産部門が大きく成長した結果、バランスの良いポートフォリオになりつつある。30年に向けて、国内の住宅事業における持続的な成長、海外事業・不動産開発事業の強化、自ら考え変化に対応していく人財の育成に取り組んでいきたい」などと述べた。

 中計最終年度の27年度は、売上高1兆2,000億円、営業利益1,200億円、利益率10%を目指す。


最新刊のお知らせ

2025年6月号

本業に意外な効果!?不動産事業者のサイドビジネス ご購読はこちら