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芝浦のツインタワー、9月1日にS棟が全体開業/野村不他

「BLUE FRONT SHIBAURA」の「TOWER S」(左)は、9月1日に全体開業
「ラウンジエリア」は目線を遮るように植栽を配置
「ウェルネスエリア」のメディテーションルーム

 野村不動産(株)と東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)は12日、両者が共同で推進中の大規模複合開発「BLUE FRONT SHIBAURA」(東京都港区)の「TOWER S」(2025年3月竣工)が9月1日に全体開業すると発表。同日、S棟の28階に設けたテナント向け共用施設「スカイラウンジ」を報道陣に公開した。

 同プロジェクトは、浜松町ビルディング(東芝ビルディング)の跡地と東海道貨物支線大汐専用地を合わせた区域面積約4万7,000平方メートルに、地上43階地下3階建ての「TOWER S」と地上45階建て地下3階建ての「TOWER N」(30年度竣工予定)のツインタワーを建設するもの。S棟の35~43階にはラグジュアリーホテル「フェアモント東京」(客室数217室)が7月1日に開業予定。7~33階がオフィスで、入居開始は8月の予定。9月1日には、1~3階に約40の商業店舗が開業し、S棟が全体開業となる。なお、N棟は30年度に竣工予定。

 S棟は、ワーカーのパフォーマンスやエンゲージメント向上に寄与する充実した共用部が特徴。「スカイラウンジ」は広さ約1,500坪。「バケーションエリア」「テラスエリア」「ラウンジエリア」「会議室エリア」「ウェルネスエリア」「共創エリア」の6つのエリアで構成する。

 「バケーションエリア」「テラスエリア」は、カフェで軽食を楽しむことができるほか、夜にはアルコール類も提供。東京湾を一望できる空間で、ミーティングやリラックスなどさまざまな目的での利用を見込む。「ラウンジエリア」は、個人で集中して作業したいワーカーのニーズに対応。目線を遮る植栽を配置し、Web会議ができるブース席も40室設けた。「会議室エリア」には会議室17室のほかホワイエを用意。「ウェルネスエリア」には、フィットネスルームやサウナルーム・シャワールーム(いずれも男女別)、メディテーションルーム、仮眠室など多様な空間を用意し、テナント企業の健康経営に寄与する。「共創エリア」は、社内外を問わず交流できるエリアとした。

 オフィスについてはそうした充実した共用部、4駅6路線が利用できる交通利便性、眺望の良さが主に評価され、現在の内定率は90%弱。11~15階には野村不動産グループが本社移転する。会見した野村不動産代表取締役社長の松尾大作氏は、「フロアを社員が自由に行き交うようになることで、グループ全体で新しい価値を生んでいけるようになるのではないか」などと語った。

 また松尾氏は、「『BLUE FRONT SHIBAURA』の開発と共創型のエリアマネジメントにより、浜松町エリアのポテンシャルを開花させ、人と自然をつなぎ陸と海をつなぐことで生まれる新しい東京の在り方は、東京の都市力向上やベイエリアの活性化につながっていくと確信している」と強調した。

「テラスエリア」のバルコニーからは東京湾が一望できる
記者会見した、野村不動産ホールディングス(株)代表取締役社長兼社長執行役員グループCEOの新井 聡氏(中央)、松尾氏(右)、JR東日本常務取締役マーケティング本部長の中川晴美氏


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