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国内トランクルーム市場、年5%の成長余地

「日本のトランクルーム市場は約10倍の成長余地がある」と話した倉地氏

 エリアリンク(株)は17日、メディアラウンドテーブルを開催。ストレージ本部の執行役員の倉地 亮氏が、トランクルーム先進国(アメリカ)との比較、国内の市場動向、海外展開に向けた戦略について説明した。

 同社の「ハローストレージ」は出店を推進し、現在47都道府県で展開。10万室数を突破し、2029年末までに約2倍となる20万室の展開を目指している。

 日本国内のトランクルーム普及率は、アメリカ・ドイツ・イギリスなどの“トランクルーム先進国”と比べると、まだ低水準。アメリカのストレージ利用数は1,350万室、世帯総数の10.6%が利用しているが、日本の利用数は60万室にも満たない(22年:56万9,800室)。「将来的に、アメリカの利用率と同水準まで押し上げることができれば、600万室の供給が可能。国内トランクルーム市場は約10倍の成長余地がある」と話した。同社は、国内のトランクルーム市場規模は今後、年4~5%程度伸びると予想。22年の747億円・56万9,800室が、30年には1,123億円・86万室になる見込みとした。

 同社は普及率を上げるための課題について、「トランクルーム利用の文化がまだ浸透していない」「小規模事業者や兼業の事業者も多いためノウハウが蓄積しづらい」などと指摘。それら課題の解決と市場拡大に向けた取り組みとして、パートナー制度を24年4月から開始した。トランクルームの立ち上げからサービス提供までをワンストップで可能とするビジネスパートナー制度で、集客・契約・解約から定期清掃、トラブルの一次対応まで、トランクルームの運営に関する業務を同社が一括で請け負う。25年5月時点で支援する室数が7,000室を突破している。

 また同社は、ストレージ先進国(米国テキサス・ドイツ)の物件を購入し、現地法人による管理・運営をしている。現地の協会に入会するとともに、管理会社から情報を収集し、システム、マーケティング、ニーズの掘り下げ方などを同社サービスの向上に活用させていく考え。


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