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日鉄興和不動産(株)は30日、2025年2月に竣工した大規模オフィスビル「虎ノ門アルセアタワー」(東京都港区)を報道陣に公開した。
同物件は、(独)都市再生機構(UR都市機構)、保留床取得者である日鉄興和不動産、第一生命保険(株)、関電不動産開発(株)、東京ガス不動産(株)、九州旅客鉄道(株)(JR九州)、大成建設(株)、(株)共同通信会館など地権者で構成する虎ノ門二丁目地区再開発協議会が進める「虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業」の業務棟。
同事業では、虎の門病院、国立印刷局、共同通信会館を含む街区を一体的・段階的に開発しており、15年に旧国立印刷局の解体工事に着手。19年には同跡地に新虎の門病院が竣工し、20年に旧虎の門病院の跡地開発として虎ノ門アルセアタワーの工事に着手していた。
現在、共同通信会館の解体工事に着手しており、29年度には約3,000平方メートルの緑地広場が整備される予定。再開発事業の完了は30年度を予定している。
虎ノ門アルセアタワーは、東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅徒歩3分、同日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅徒歩3分など、4駅5路線が利用可能。「虎ノ門ヒルズ」駅からはペデストリアンデッキで直結する。敷地面積約2万2,500平方メートル。建物は、鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造)地上38階地下2階建て、延床面積約18万600平方メートル。高さは約180m。
賃貸オフィスは16~37階に位置(5~15階のオフィスは貸室対象外)。1フロアの床面積は3,300平方メートル以上で、都内最大級となる。天井高は2,900mmを確保。内部階段が設置できる設計としている。
日鉄興和不動産都市事業本部ホテル事業部開発第二グループ兼ビル事業第三部の佐藤博之氏は「(入居に)関心を寄せていただいている企業からは『複数フロアに分かれている今のビルからワンフロアが大きいビルに移転をすることにより、フロア数を減らし、コミュニケーションを活性化させたい』との考えを聞くことが少なくなく、内部階段が設置できる点も評価をいただいているようだ」と強調。現在のオフィスの内定率は9割超であることを明かした。
1階にはマルシェなどの商業施設を整備。2階の「アルセアサロン」にはバイリンガル対応のオフィステナント専用コンシェルジュが常駐する。3階には、日鉄興和不動産の会員制シェアオフィス「WAW(ワウ)虎ノ門アルセアタワー」、8~84人を収容可能な大小7室の会議室を備えるカンファレンス施設「虎ノ門アルセアタワーコンファレンス」、フィットネス施設「モビリティケアプラス虎の門ジム」を設けた。22階には「スカイロビー」、ミーティングや個人で利用可能な入居者専用の「スカイラウンジ」(約170席)を用意した。
建物は、制震構造を採用。災害時に停電になった際は、非常用発電機とコージェネレーションシステムが作動し電力を供給。中圧ガスが断絶したときもオイルタンクにより168時間の電力供給を可能とした。断水時も7日間はトイレを利用できる。
また、災害時のみ活用する防災ヘリポートを整備し、虎の門病院との連携の下、屋上で傷病者を受け入れる。エントランスホールやカンファレンス施設等の転用により、帰宅困難者や傷病者約1,500人の受け入れ機能も果たす。
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