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ボルテックス、私募債使いヘラルボニー支援

贈呈式の模様(右から岩手銀行・岩山氏、ボルテックス・松岡氏、ヘラルボニー・大田氏、川徳代表取締役社長・斎藤英樹氏)

 (株)ボルテックスは、(株)岩手銀行の「岩手銀行SDGs私募債」(寄付貢献型私募債)を使い、(株)ヘラルボニーおよび(株)川徳へ寄付を実施。9日、川徳が運営する川徳百貨店(パルクアベニュー・カワトク(岩手県盛岡市))で贈呈式が行なわれた。

 同私募債は、私募債発行の手数料の一部を原資として、SDGs達成のための取り組みを手掛ける団体等に寄付を行なうもの。今回はボルテックスが長期運営資金調達のために実施した私募債5億円の発行手数料の一部を使い、家庭用ロボット「LABOT」(100万円相当)を寄付した。

 ヘラルボニーは、アートを通じたビジネスで障がい者に対するイメージ変容を目指す企業。主に知的障害のあるアーティストのアートデータをライセンス管理し、パートナー企業の協力を得てさまざまなプロダクトを販売。2025年3月、銀座に次ぐ旗艦店として、川徳百貨店内にショップ兼カフェの「ISAI PARK」を出店した。

 老舗百貨店の川徳は、盛岡発祥のスタートアップであるヘラルボニーの創業時から支援。同百貨店にヘラルボニー初のポップアップショップや常設店の場を提供してきた。「ISAI PARK」は、百貨店の顔である1階正面エントランス横に位置。広さ約200平方メートルで、ヘラルボニーがライセンス管理するアーティストの原画20点や、プロダクト100点余りを販売しているほか、初の試みとしてカフェを併設。各種イベントも行なっている。「LABOT」はAIを活用したコミュニケーションロボットで、カフェ店内を巡回して来店者とコミュニケーションする。

 贈呈式で挨拶したボルテックス執行役員金融法人本部本部長の松岡 明氏は「先入観や常識にとらわれることなく、異彩を放つアーティストの才能を世界に届け、新たな文化をつくりだしているヘラルボニーさんの活動や、ヘラルボニーの旗艦店を展開し地域社会との交流や発信に尽力する川徳さんの地域貢献活動に共感し、今回の寄付に至った」などと語った。
 岩手銀行頭取の岩山 徹氏は「当行のSDGs私募債は、発行企業が寄付先を決めることができるもので、今回地元を代表する企業へご寄付いただけることになった。LABOTがパルクアベニューやISAI PARKへいらっしゃる方々を温かく迎え、心地よい空間をつくってもらえるものと期待している」と祝辞を述べた。
 また、寄付を受けたヘラルボニーISAI PARKストアチーフの大田 雄之介氏は「寄付をいただけるというお話を2月にいただき、最初はカフェで使う什器をお願いしようと思っていたが、LABOTにしようと決めた。LABOTはISAI PARKのコンセプトである“誰もが受け入れられる場所”にもかなうもの。お客さまに安心感を与えてくれるパートナーになってくれると思う」と謝辞を述べた。

 ボルテックスは、地域再生、地方創生への貢献を目的に、全国の地方銀行14行と提携。私募債や企業版ふるさと納税などを活用して各種寄付を行なっている。

LABOTは、自ら人間に近づきコミュニケーションを繰り返すことで顔を覚えて懐いていくロボット
ISAI PARK店内。さまざまなアーティストの作品が並ぶ


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