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イタリア最大規模の管理業協会と交流/日管協

共に設立30周年の日管協とANACI。互いの事業環境など意見交換を行ない交流を深めた
「今回の交流を経て学んだことは、マンション管理の現場で大いに生かすことができる」と話したFrancesco Burrelli氏(左)

 (公財)日本賃貸住宅管理協会は25日、イタリアの管理業協会「ANACI」(Associazione Nazionale Amministratori Condominiali e Immobiliari)の来局に当たり、互いの事業説明や、賃貸住宅市場を取り巻く現状・将来への展望等について意見交換を行なった。

 ANACIは、イタリア国内で50~100戸の建物を管理する7,300以上の管理業者で構成される同国最大規模の協会。会員向けの研修活動を実施しているほか、主に若年層を対象としたスタートアップセミナーや資格セミナーを開催している。

 ANACI会長のFrancesco Burrelli氏は、「東洋にどのような文化や知識があるのか、実際に見て学ぶことは視野を広げるという意味でとても大切。マンション管理について、特徴や法律面でイタリアと異なるところはあるが、安全もしくは耐震などに関して参考としている点が多い。今回の交流を経て学んだことは、マンション管理の現場で大いに生かすことができる」と話した。

 同協会会長の塩見紀昭氏が、日本の賃貸住宅管理業と業界の最新動向などをレクチャー。2つの管理形態(管理受託方式・サブリース方式)、一般的な賃貸住宅管理メニュー、賃貸住宅管理業法と賃貸住宅管理業者の義務などについて説明した。
 「賃貸住宅管理業の仕事は、細かいことをコツコツやることが大事。コツコツは“勝つコツ”。そういう気持ちで仕事をしている。デジタル化が進む昨今だが、こうして“会う”ことで気持ちが伝わる。入居者ともオーナーとも、そうやっていい関係をつくることが仕事だと思っている」(塩見氏)。

 また、日本ハウズイング(株)代表取締役社長の小佐野 台氏が、マンション管理の課題である「3つの老い」を挙げ、「管理員・清掃員の老い」に対する取り組みを披露した。「日本の労働力人口の減少と高齢化は、マンション管理の現場を直撃。現場スタッフの確保が業界全体の最重要課題」であるとし、「2019年よりベトナム子会社『PAN SERVICES』と連携。外国人技能実習生の受け入れを通じて労働力を確保し、日本の高い清掃技術を継承している」と話した。


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