(株)ザイマックス不動産総合研究所は30日、「大都市圏オフィス需要調査 2025春」を発表した。
16年秋より、企業のオフィス利用の実態や働き方に関して半年に1回アンケート調査を実施。今回は25年6月3~15日に、ザイマックスグループの管理運営物件のオフィスビルに入居中のテナント、サテライトオフィス「ZXY」の契約先、ザイマックスインフォニスタの取引先、合計5万8,095件を調査した。有効回答数は1,769件。
過去1年間のオフィス面積の変化について聞いたところ、「拡張(した+する可能性)」は16.4%、「縮小(した+する可能性)」の割合は7.6%。21年春調査を潮目に、縮小トレンドから拡張トレンドへの転換が進んでいる。
今後(2~3年程度先まで)のオフィス面積については、「拡張したい」が18.5%、「縮小したい」は5.3%。経年で見ると、「拡張したい」が21年春調査を底に増加傾向だったが、今回は24年春調査と同程度に落ち着いた。
現在の出社率は、「100%(完全出社)」が23.8%、「60~99%(出社派)」が46.0%、「40~59%(半々)」が13.2%、「1~39%(テレワーク派)」が14.0%、「0%(完全テレワーク)」が3.0%だった。
オフィス施策を実施する上で重視することでは、「生産性の向上」が69.5%でトップに。「従業員の満足度向上」(64.3%)、「従業員のモチベーション向上」(56.5%)と続いた。「ワーク・エンゲージメントの向上」(39.9%)については、24年春調査から6.0ポイント伸びており、重要度が増していると見ている。
入居中のメインオフィスで課題に感じていることは、「快適な温度調整が難しい」(38.1%)がトップ。2位は「会議室が不足している」(28.7%)、3位は「リモート会議用個室が不足している」(19.7%)だった。オフィス内の各スペースを今後どうしたいかを聞いた結果でも、「会議室スペース(複数名用個室、1名用リモート会議室)」を「増やしたい」が35.0%に上り、会議室不足の課題感の強さがうかがえた。
また、ワークプレイス戦略に関しての課題では、「チームワークやコミュニケーションを活性化できていない」(30.9%)や「従業員のエンゲージメント向上に寄与できていない」(29.7%)、「ウェルビーイングなオフィスづくりができていない」(25.8%)などが上位に。ワークプレイスに単なる作業空間以上の役割を持たせることに苦慮していることが分かった。