(株)東京カンテイは7月31日、住宅ローン利用者の年収倍率から、「新築マンションが購入可能な目安世帯年収」を算出し、公表した。新築マンションの70平方メートル換算価格を、(独)住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」で公表された都道府県ごとの年収倍率で割り、駅ごとに集計した。
首都圏で24年に分譲マンション供給のあった集計対象駅282駅のうち、目安世帯年収が「2,000万円以上」となったのは21駅、シェアは7.4%で、19年(集計対象355駅)の5駅・シェア1.4%から大幅に増加した。2,000万円以上という駅の分布についても、JR山手線南側エリアのみだったのが、同北側エリアや周辺エリアにも拡大し、一部は城南エリアや横浜市内中心部でも散見されるようになった。「1,500万円以上」は40駅(19年比25駅像)・シェア14.2%(同10.0ポイント増)、「1,000万円以上」は108駅(同18駅増)・シェア38.3%(同12.9ポイント増)といずれもシェアを大きく拡大させた。
同社では、近年の価格上昇が反映された形だと分析。「人件費・原材料費等の上昇による建築費の上昇と、供給の中心となっている大手ディベロッパーが販売ターゲットを『パワーファミリー』『パワーカップル』と呼ばれる高年収層に絞り込み、都心立地の新築マンションを開発していることが数字となって表れた」。
駅別で24年の目安年収倍率が最も高かったのは都営三田線「白金高輪」駅の4,233万円(同128.5%上昇)、2位は東京メトロ銀座線「表参道」駅の4,177万円(同206.4%上昇)、3位は東京メトロ南北線「麻布十番」駅の3,857万円(同151.7%上昇)となった。トップ50には横浜高速鉄道みなとみらい線「元町・中華街」駅やJR京浜東北線他「横浜」駅、同「浦和」駅など、東京都内以外の駅もランクインした。