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ポラスグループの(株)中央住宅は8日、分譲住宅「KITAMOTO SIGNATURE EDIBLE LANDSCAPE」(埼玉県北本市、総戸数22戸)を報道陣に公開した。早稲田大学との産学連携による「Interknitted Town(インターニッティドタウン)」構想を具現化したもの。さらに地元自治会の協力を得て、地域住民とのつながりを深め、地域のコミュニティ活性化、防犯・防災力の強化など住みやすいまちづくりへとつなげていく、新たなまちづくり提案。
同物件は、JR高崎線「北本」駅徒歩13分に立地。敷地面積約3,000平方メートルの戸建分譲地。建設地は水田跡地で、周辺は戸建住宅街。北本市での建売分譲は、2022年の「ベルフォート北本」(総戸数10戸)以来。住戸は、土地面積約125~136平方メートル、木造在来工法2階建て、3LDK~5LDK、建物面積約96~104平方メートル。1期10戸は9月22日完成予定。2期12戸は、26年春引き渡し予定。
同社と早稲田大学は20年から、郊外分譲住宅地のこれからの在り方について共同研究を行なってきた。「インターニッティドタウン」構想は、小規模分譲地を既存の分譲地の中に「(ニットのように)編み込む」ことで、エリア全体の価値向上を図ろうというもの。今回は、約230世帯が暮らす「本町3丁目」の自治会と連携。開発地が緑豊かな周辺環境にあることから「エディブルランドスケープ(食べられる景観)」をテーマに野菜やハーブ、果樹など「食べられる植栽」を地域コミュニティの核に据えた。
各住戸には家庭菜園スペース(ポタジェ)、外構には実のなる木やフラワーベンチを設置。住宅地中央を貫く長さ約50mものフットパスを設ける。その終点となる約40坪の提供公園「PLAZA」には、ハーブや食べられる樹木・花を植え、各住戸やPLAZAからの収穫物でマルシェ等を開く。また、地元自治会が管理している空き地(市有地、約30坪)の提供を受け、地域のユーティリティスペース「AMU」へ改修、野菜なども栽培する。これらのオープンスペースを使いさまざまなイベントを行なっていく。
地元のコミュニティ支援会社等が活動をサポート。同社も2年にわたり、コミュニティ支援活動を下支えし、住民・自治会での自立運営に持っていく。12月に1期入居者と地域住民との顔合わせ会、全棟完成する来春まちびらきイベントを予定している。
同日説明に当たった同社戸建分譲さいたま事業部部長の高橋 明氏は「従来からある住宅街の中に新しい住宅地を落とし込み、地域価値の向上を目指す。自治会様とも何度も協議を重ねてきた」と語った。
同社と共同研究を手掛けてきた早稲田大学リサーチ・イノベーション・センターの岡村竹史上級研究員は「インターニッティドとは“相互に編み込む”という意味。既成のまちにただまちをつくって売るのではなく、地域のステークホルダーと協力して、地域資源を生かして、不足しているものは足しながら、地域価値を向上させるという考え。社会実装化したいとポラスと協議してきた。今後も社会実装で得られたノウハウで構想をアップデートしていく」とした。
また、北本市本町3丁目自治会会長の花形俊男氏は「私は50年前に20棟の分譲地に越してきた。それから半世紀が経ち、このような素晴らしい街がまたできることは感慨深い。自治会への加入率は57%。22世帯が新たに自治会に加わってくれるのはありがたい。ポラスさんからは1年ほど前から説明を受けてきたので、役員一同活動内容は理解している。新たなまちとつながりを深めていくことで、まちが活性化していくよう力を入れていく」と抱負を語った。
今年4月11日にホームページをオープンし、問い合わせは44件。1期は3戸が売却済み。販売価格は3,790万~5,190万円。8月24日からモデルハウス2戸の内覧会を開く。反響の3割が地元北本市在住者、2割が埼玉県外在住者。購入者はDINKS・ファミリー。早大との共同研究成果を反映した住宅地は、継続的に供給していく方針。
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