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物流施設、半年後の賃料水準見通しは「上昇」が1位に

 (株)一五不動産情報サービスは19日、「物流施設の不動産市況に関するアンケート調査」結果を発表した。ディベロッパー、アセットマネージャーなど不動産業に関わる実務家・専門家を対象に、7月24~31日の期間、Webまたはメールでアンケート調査を実施。有効回答数は88。

 半年後の物流施設の不動産価格の見通しについては、「横ばい」が58.0%(25年1月比3.3ポイント低下)でトップ。「上昇」は35.2%(同7.9ポイント上昇)、「下落」は6.8%(同4.6ポイント低下)となった。
 「上昇」は2回連続で増加しており、「横ばい」と「下落」が減少したことから、依然として「横ばい」が主流であるものの不動産価格の上昇圧力が高まっていることが分かった。

 各回答の理由は、「上昇」では「物流施設の建築費が上昇するため」が26回答で最多。「物流施設の賃料水準が上昇するため」(13回答)、「主たる投資対象のひとつとして、引き続き活発な投資が行われるため」(9回答)と続いた。「横ばい」は、「キャップレートの見通しに大きな変化がないため」(25回答)、「賃料水準の見通しに大きな変化がないため」(23回答)、「金利上昇への懸念で、投資家が新たな投資に慎重になるため」(17回答)。「下落」は、「リーシングに苦戦する物流施設の売却が増えるため」(4回答)が最多。「今後も大量供給が続き、需給緩和が見込まれるため」(2回答)は前回調査の9回答から大幅に減少した。

 半年後の物流施設の賃料水準の見通しは、「上昇」(48.9%)、「横ばい」(47.7%)、「下落」(3.4%)と、21年7月以来4年ぶりに上昇が横ばいを上回った。
 理由として最も多かったのは、「上昇」が「建築費などの開発コストが上昇し、その分の賃料転嫁が進むため」(32回答)、「横ばい」が「建築費上昇に伴う賃料上昇圧力と需給緩和による賃料下落圧力が均衡するため」(23回答)、下落が「リーシングに苦戦する物件の値下げをきっかけに賃料相場が値崩れするため」(3回答)。

 不動産価格の業況判断DIは、28.4ポイント(同12.5ポイント)上昇と3回連続で上昇している。賃料水準の業況判断DIも45.5ポイント(同19.4ポイント上昇)と大幅に上昇。不動産価格と賃料水準の上昇理由をみると、建築費の上昇が主たる要因で、物価上昇のトレンドが、それぞれの上昇につながっているとみられる。


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