三井不動産(株)は20日、三井デザインテック(株)、東京大学大学院経済学研究科・稲水伸行准教授と共同で行なった「シェアオフィスの利用効果」の調査結果を発表した。
首都圏の従業員数100名以上の企業に勤める22~59歳の正社員4,118名を対象に行なった「シェアオフィス利用者へのアンケート調査」(2022年10月、23年1月)では、3つのタイプ(オフィス型、オフィス+自宅型、シェアオフィスも利用するハイブリッド型)に分けて調査を実施。その結果、ハイブリッド型は「生産性」「組織へのコミットメント」「ワークエンゲージメント」「クリエイティビティ」「イノベーション」「集中度」「職務満足度」など、多くの項目の数値が有意に高い結果に。相関関係が認められた。
また、調査協力企業に勤める22~59歳の従業員417名に実施した「追跡調査」(24年5~6月、8~9月)については、シェアオフィス未経験者に3ヵ月間、三井不動産が展開する「ワークスタイリング」を利用してもらい、利用前後の回答結果の違いを分析。シェアオフィスを利用することで、「組織へのコミットメント」「集中度」、そして「働く人の幸せ因子」のうちの4項目(「チームワーク」「他者貢献」「自己成長」「自己裁量」)の数値が有意に高く、因果関係が認められた結果となった。
本調査により、シェアオフィスの利用が生産性や働く人の幸せ(ウェルビーイング)向上に寄与することが明らかに。また、稲水准教授は追跡調査の結果から、「シェアオフィスは業務に応じて最適な環境を選べるため、個人の集中度が上がり、チームとしてのパフォーマンスやチームワークも向上する」「シェアオフィスの利用で働く場所の選択肢が広がり、柔軟に働けるようになることで自己裁量が高まる」などと考察している。