(株)ザイマックス不動産総合研究所は28日、「商業店舗の出退店に関する実態調査2025」の結果を発表した。早稲田大学建築学科石田航星研究室と共同で、直近調査年度の売上高が30億円以上の事業者4,761社を対象に、郵送およびWebによる調査を6月11日~7月14日の期間に実施。有効回答数は279件だった。
事業者の出店意欲について尋ねたところ、約8割が「店舗数拡大のために積極的に出店」(12%)、「優良物件に絞って出店」(67%)と回答。コロナ禍前(19年)やコロナ禍中(21年)の調査時より高くなっていることから、事業者の出店意欲が旺盛になっていることがうかがえる。
重視する出店立地については、トップが「郊外ロードサイド」(50%)。「都市部ロードサイド」(38%)、「駅前・駅周辺」(36%)と続いた。コロナ禍で落ち込んだ「駅前・駅周辺」「駅ビル・駅ナカ」「繁華街・商店街」を重視する事業者の割合が高くなっている。
不採算店舗についての方針では、「賃料減額交渉を実施」や「退店(自社保有、賃借店舗の中途解約・契約満了問わず)」について、「当てはまる」「ある程度当てはまる」と回答した事業者が多い。しかし、コロナ禍の21年と比較すると、「当てはまる」の回答割合は「賃料減額交渉を実施」が33%→21%、「退店」が21%から16%へと減少。
店舗開発要員の人手不足の度合いについて聞くと、「とても不足」(16%)または「やや不足」(46%)と回答した割合が6割超に。多くの事業者が人手不足であることが分かった。店舗開発業務を行なう正社員・契約社員の平均年齢は、「40歳代」(36%)、「50歳代」(40%)が多く、全体の76%を占めた。「60歳代以上」の回答も9%と、平均年齢の高さがうかがえる。