中央日本土地建物(株)と(独)都市再生機構(UR都市機構)は8月29日、複合施設「ミタマチテラス」(東京都港区)が竣工したと発表した。
両者が区分所有していた1966年竣工の旧「春日ビル」を、オフィス・店舗・子育て支援施設を整備した環境配慮型のスマートビルに建て替えたもの。都営地下鉄浅草線・三田線「三田駅」直結、JR山手線・京浜東北線「田町」駅徒歩2分に位置。敷地面積約5,140平方メートル。建物は、鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造地上20階地下3階建て、延床面積約5万5,500平方メートル。
5~19階のオフィスフロアでは、空調・照明を自動制御するIoTセンサーや、外気の状況から換気のタイミングを判断しオフィスワーカーへ通知する専用アプリを導入。同アプリでは、カンファレンスの予約、空調・照明・ブラインドの調整、インターフォンへの応答、鍵の開錠などが操作できる。AIカメラが車両ナンバーを検知し、駐車場ゲートを自動で開閉するシステムも導入。
建物の共用スペースには、災害時のビルの安全状況を分析・判断するシステムを導入し、発表される警報・注意報などと合わせてデジタルサイネージで最新情報を発信。また、無人受付システムに来館者情報を登録することで、セキュリティゲート用の二次元バーコードの自動発行や来館時の通知など、スムーズな対応が可能となる。
3・4階には、12~90人が使用できる17部屋のカンファレンスを用意。入居テナントが利用できるワーカーラウンジ(利用無料)、全17室のソロルームも4階に設ける。同フロア内に、中央日本土地建物が運営するオープンイノベーションオフィス「SENQ田町」も10月に開業。
1階には、放課後等デイサービス事業と一時預かり事業で構成される「子育て支援施設」を整備する。
南北面では窓を二重ガラス構造として空調負荷を抑え、東西面では西日などを遮る縦フィンや自然換気装置、太陽光の反射によって天井を照らすように自動調整が可能なブラインドを備えることで、消費エネルギーを効率的に削減。蓄電池内蔵型のEV急速充電器、屋上への太陽光発電機の設置のほか、外構には風力太陽光付き外灯を設置している。これら取り組みにより、ZEB Ready認証、BELS六つ星、CASBEE-スマートウェルネスオフィス評価認証Sランクを取得した。