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(株)ロッテホールディングス(東京都新宿区、代表取締役社長 CEO:玉塚元一氏)は、日本国内におけるホテル事業を強化していく。韓国でホテル事業を手掛ける(株)ホテルロッテ(韓国ソウル市、CEO:ジョン・ホソク氏)との共同出資により「(株)LOTTE HOTELS JAPAN」(東京都新宿区、代表取締役社長:福井朋也氏)を設立。向こう10年間で既存ホテルを含め20ホテル・4,500室の運営を目指す。
ロッテグループは、日本と韓国の事業シーズを掛け合わせたグローバル戦略「ONE LOTTE」を推進しており、ホテル事業の拡大もその一環。ホテル事業へは、韓国が先行して参入。1973年に設立したホテルロッテが、5つ星の旗艦ホテル「LOTTE HOTEL」やプレミアムビジネスホテル、ライフスタイルホテル、リゾート施設などを、韓国含め7ヵ国で39ホテル・1万4,135客室を展開している。
一方、日本のロッテHDは「ロッテシティホテル錦糸町」(東京都墨田区、客室数189室)を2010年に開業、複合リゾート「ロッテアライリゾート」(新潟県妙高市、客室数257室)を15年に開業している。両施設はロッテHDとホテルロッテがそれぞれ運営支援していたが、今後は運営体制を新会社に一本化。韓国での半世紀にわたるホテル事業のノウハウと、日本国内でのロッテブランドの認知度を結集し、日本国内でのホテル開発や運営支援を一貫して行なう。
新会社は、直営のほか、運営受託(MC)や賃貸借(リース)、他社ホテルのリブランドなどで施設を増やす。新規開発では、国内に200拠点以上あるロッテグループの自社不動産の活用も視野に入れていく。東京・大阪・沖縄に直営の旗艦ホテルを出店するほか、札幌・仙台・福岡などの政令指定都市や国際空港があるエリアにも出店していく。中でも、沖縄は日本と韓国との中間地点として、戦略的に重要なエリアと位置付け、那覇市内とリゾート地など、複数箇所での出店も検討していく。
ホテルブランドは、これまでにホテルロッテが展開してきたブランドを踏襲。さらに、客単価5万~10万円のスモールラグジュアリーブランドホテルも展開する予定。集客に当たっては、全世界約300万人というホテルロッテの会員基盤を生かしていく。
2日に会見したロッテHDの玉塚氏は「24年に訪日した外国人の約4分の1は韓国人。韓国を中心としたホテルロッテの会員、日本での知名度といったシナジーを利かせ、ホテル事業に本気で取り組んでいく」などと語った。
また、LOTTE HOTELS JAPANの福井氏は「ロッテのキャッチフレーズ“お口の恋人”のホテル版として、“和心(まごころ)の恋人”を目指す。ブランドはホテルロッテを踏襲していくが、サービスでは日本ならではの真心・おもてなしの文化をしっかり届けたい」などと述べた。