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マスター制度、登録者数1万2,000人超/ARES

「マスターの皆さまには、一人ひとりの行為が不動産市場全体の信頼を支える大きな力になっているということを強く意識していただきたい」などと述べた菰田氏

 (一社)不動産証券化協会(ARES)は17日、帝国ホテル 東京(東京都千代田区)で「2025年度 ARESマスターコンベンション」を開催した。

 冒頭、主催者を代表して挨拶に立った同協会の菰田正信会長は「06年に創設した、不動産証券化に関する高度な専門知識と高い職業倫理を有する人に『不動産証券化協会認定マスター』の称号を与える制度は、今年で20年目を迎えた。登録者数は1万2,000人を超え、制度の定着と広がりを実感している。マスターの皆さまには、一人ひとりの行為が不動産市場全体の信頼を支える大きな力になっているということを強く意識していただき、自らを律するとともに、市場の規律と信頼を守り続けてほしい」と述べた。

 その後、24年度マスター養成講座成績優秀者表彰が行なわれ、続けて(株)ニッセイ基礎研究所金融研究部主任研究員の佐久間 誠氏が登壇。「転換期のJREIT市場を読み解く─発展の軌跡と成長への課題─」と題した基調講演を行なった。同氏はコロナ禍を経て「デフレが終わりインフレ、そして成長にフォーカスが当たる中、オフィスに代表される不動産賃貸市場は明るい見通しが描ける局面になってきた」と説明。一方、23年以降低迷しているJREIT市場については「10年代において、投資家層に占める金融機関の割合が増えた中、そうした層に最適化する形で保守的な運用へとシフト。それが現在の『金利のある世界』にマッチしていなかったのでは」と分析した。

 その上で、「日本が過去30年、デフレで苦しんできた状況は終わり、『インフレ環境下にある』とのマインドセットへの切り替えが必要だ。『賃料は上がるもの』との前提に立ち、安定・稼働重視の債券的オフィスから成長・賃料重視の株式的オフィスへと変わることで投資するメリットも出てくる。それがオフィス収益の増加と投資につながり、“正のスパイラル”を生むことになるはず」とした。

佐久間氏による基調講演


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