東京建物(株)、YKK AP(株)、慶應義塾大学は17日、ZEH改修住戸の快適性を科学的に検証する実証実験を実施したと発表した。
東京建物が開発・保有する築20年の大規模賃貸マンション「Brillia ist東雲キャナルコート」(東京都江東区、高層棟380戸、低層棟43戸)内の住戸に被験者が宿泊。温湿度やバイタルデータを比較することで、ZEHが快適性・健康性に与える影響を可視化するもの。
ZEH改修住戸と通常の改修住戸(高断熱窓や断熱材変更を伴わない改修)を用意。被験者グループは、各住戸で一定期間生活し、室内環境計測だけでなく、血圧や脈拍などのバイタルデータを比較分析する。
各対象住戸7ヵ所ずつ室内の温湿度を測定。サーモカメラによる熱画像の撮影により、窓や躯体の表面温度から立体的な温度分布を予測する。エアコンの稼働内容も記録し、消費電力の算出・分析を行なう。被験者入居計測では、ウェアラブル端末などで体温・体組成・歩数・睡眠時の活動量等のバイタルデータを取得する。
断熱性能の違いの出やすい夏季と冬季の2回にわたり実施。夏季の室内環境計測は2025年8月18~23日。被験者入居計測は同年8月25日~9月6日。冬季は同様の各種計測に加え、窓の結露状況や血圧の変化等も測定する予定。両季の結果を合わせて分析し、ZEH改修住戸の効果を検証する。
この実証実験により、既存住宅のZEH改修の普及促進に向けZEH化による快適性を実証し、ウェルビーイングな効果を客観的に伝えていく。