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「10年後の30歳代」が持つ暮らし方の理想探る調査

「Future Style Agenda」社内共有会の様子

 日鉄興和不動産(株)が運営するFuture Style 総研は24日、次世代を担う「10年後の30歳代」の価値観と暮らし方を描き出す調査レポート「Future Style Agenda」を発表した。

 同調査は、未来を見据えた観点から、まちづくりの根拠となる価値判断の軸を生活者の実態からより明確にすることを目的に実施したもの。10年後に30歳代となる世代(Z世代)を対象に、家族・仕事・拠点・健康・所有の5つの観点から価値観や意思決定の軸を分析。次代の暮らしを描くための手掛かりとして、レポートにまとめた。

 具体的には、多様な情報源を基としたデスクトップリサーチにより、対象世代を特徴付ける要素を抽出。価値観や行動の土台となる、時代背景や社会環境、教育方針の変化などから生まれた根本的な考え方を3つに分類し、(1)「報われない・持たざる世代である」という世代認識、(2)「あなたらしさ」が存在することが前提である教育方針、(3)SDGs・社会課題が教育プログラムに組み込まれた世代、とした。
 また、これら3つの前提を基盤として現れるZ世代のさまざまな行動パターンや思考の傾向を、16の特徴として示した。

 3つの前提とそこから派生する16の特徴を踏まえ、20歳代中盤から30歳代前半の計16人を対象に、1人当たり約1時間半のインタビューを実施。最終的に、4つのアーキタイプとして分類。(A)自己定義型×変化志向(固定的な枠組みにとらわれず、自らの価値観で柔軟に家族・仕事を再構築)、(B)社会参照型×変化志向(多様な人々との交流を重視し、家族や仕事を「協働体」として捉える)、(C)社会参照型×安定志向(家族を人生の中心に据え、長期的・計画的な安定を重視)、(D)自己定義型×安定志向(自分らしさを軸に、安定と柔軟性を両立させる暮らしを志向)とし、それぞれで特徴を整理した。

 同日、赤坂インターシティAIR(東京都港区)では同調査の社内共有会を開催。佐藤有希氏(Future Style 総研)をモデレーターに、内田友紀氏(Futurama代表)、長田麻衣氏((株)SHIBUYA109エンタテイメント SHIBUYA109lab.所長)、大長敬典氏((株)The Breakthrough Company GO COO)らによるトークセッションが行なわれた。「レポート内容をすべて理解しようとするのではなく、共感できるところなど気になる箇所だけをピックアップして見ていくのもいいのでは」「アーキタイプは固定ではなく、時間の流れとともに変化していくもの。都市や住まいの作り手として、その変化に呼応できる柔軟な体制を作り上げていくことが大切」など、同調査を読み解く際のポイントや活用方法について意見が交わされた。


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