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不動産6団体、犯罪収益移転防止で申し合わせ

 不動産業の6団体(※)で構成する「不動産業における犯罪収益移転防止及び反社会的勢力による被害防止のための連絡協議会」は2日、不動産業における犯罪収益移転防止等に関して、申し合わせを行なった。

 2028年にFATF(マネーロンダリング対策における国際協調を推進する目的で設置された政府間会合)が第5次となる対日相互審査を行なうことを見据え、国土交通省が25年6月に「犯罪収益移転防止等の厳正なる遵守について」を事務連絡として発出したことを受けたもの。

 取引当事者が反社会的勢力に関係しているという疑いがある場合に、宅建事業者は「疑わしい取引」として届け出ることが求められている。ただ、不動産業界は全体の取引件数に対して届け出が少ないという指摘がなされていることから、犯罪収益移転等防止に向けて業界を挙げて反社チェックや届け出を徹底しようと、今回の申し合わせを行なった。

 申し合わせでは、各団体が犯罪収益移転防止法(犯収法)に関する研修の実行や、動画やハンドブックの閲覧を促進することや、取引金額200万円を超えるすべての取引については原則「不動産業反社会的勢力データベース」等を活用して反社チェックを行なうこと、その結果「疑わしい取引」となった場合に速やかに届け出を実施することなどが盛り込まれた。さらに各団体は会員事業者に対して犯収法で義務付けられている「統括管理者」の選任を促進していく。

 事務局の(公財)不動産流通推進センターは、国土交通省や警察庁と協力して届け出手続きの電子申請に関する研修や、各団体が使用できる教材資料の作成等を実施。これに加えて3ヵ月に1度、研修の実施件数等の各団体の取り組みに関する報告を受け、これに反社データベースの活用状況や届け出件数などを含めて業界全体の取り組み状況をとりまとめる。それらのデータは国土交通省を通じて国に報告されるという。

※(公社)全国宅地建物取引業協会連合会、(公社)全日本不動産協会、(一社)不動産協会、(一社)不動産流通経営協会、(一社)全国住宅産業協会、(公財)不動産流通推進センター(事務局)


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