三井デザインテック(株)は14日、同社の本社オフィス「CROSSOVER Lab」(東京都中央区)を9月にリニューアルしたと発表した。
同社は2021年にオフィスを移転。約4年を経て、出社率の回復や人員増加に伴い、社員が定位置にとどまる「固定席化」や部署間の交流不足といった課題が顕在化していた。そこで今回、同オフィスを実証実験の場と位置付け、空間および運用の両面から見直しを図った。
ABW(Activity Based Working:業務内容や気分に合わせ、場所・時間を自由に選択する働き方)効果の最大化を狙い、移転当時の対象人数から社員が約200人増加したことを受け、執務席の運用や収納量の見直しを実施。ワークポイント(パーソナルスペースを考慮した、1.2m以上の距離が離れている執務席)を増加させ利用効率を高めた。また、ABW運用の目的を社員に再認識してもらうため、各スペースの利用意図や振る舞い方を示したエリアパネルや動画を制作。プロジェクトの進捗や背景、社員それぞれの取り組みや情報を共有する壁面ボードも設置し、部署を超えた相互理解と新たな会話のきっかけが生まれるようにした。さらに、日常的な対話のきっかけづくりや社内イベントの企画・開催を支援するコミュニティマネージャーを配置。社員間の交流の活性化とつながりの質の向上を後押ししている。
併せて、従来分散していたプロジェクトブースを集約し、社内の業務情報やアイディアを共有・発信する場として再構築したエリア「ANTENNA」を整備。社員同士のコミュニケーションを促進するだけでなく、サスティナブルの観点からリニューアル時に発生した廃材を資源として活用するなど、新しい技術や実験的なアプローチを積極的に取り入れた。また、没入型の体験を通じて協創を促すイマーシブ空間「MIRISE」、砂利や水音、香りなどの要素を取り入れたウェルネスな空間「SUNROOM」、従前はロッカーが並んでいたエリアを打ち合わせや立ち話ができるデスクを備えた空間へと転換した「LINK LOCKER」などを整備した。
同社は今後も、働き方の変化に応じた実証を継続し、そこで得られた知見を社外のプロジェクトや提案に生かしていく。