国土交通省は17日、「マンション標準管理規約」の改正を発表した。9月10~25日の間、パブリックコメントを実施している。
建物の高経年化・居住者の高齢化といういわゆる「2つの老い」の進行に伴って顕在化する課題に対応するために、「マンション関係法」が改正。その中核となる改正区分所有法が2026年4月に施行されることを受けたもの。
今回の改正では、マンション関係法(区分所有法)の改正に関係したものとして、総会決議における多数決要件等が見直された。特別決議についても総会の出席者による多数決を可能とすることや、マンション再生決議については、建て替え以外の再生手法として「更新・売却・除却」の多数決要件を規定した。また、区分所有者の所在等が不明だった場合に、管理組合が一定の手続きを経て総会決議等から除外することが可能になった。
このほかにも総会招集時の通知事項等の見直し、国内管理人制度の活用に係る手続き、共用部分の管理に伴って必要となる専有部分の保存行為等、修繕積立金の使途、マンションに特化した財産管理制度の活用に係る手続き、共用部分等に係る損害賠償請求権等の代理行使について改正を行なっている。
さらに社会情勢等を踏まえた見直しも行なわれた。区分所有者ではない者が管理組合役員・専門委員を装った事案の発生を受け、管理組合役員・専門委員の就任時の本人確認についてコメントを追加。さらに、管理組合が取り組む防災関係業務の内容を明確化すると共に、防火管理者に関する規定例を追加した。
改正後のマンション標準管理規約等については、国土交通省のホームページで公表している。