三井不動産(株)は21日、複合ビル「日本橋室町三井タワー」(東京都中央区)で、凶悪犯罪の対策訓練を実施した。
近年、無関係の人を切り付けるなどの無差別的な犯行が問題となる中で、安心・安全なまちづくりの一助とすることを目的に開催したもの。これまで同社は、「東京ミッドタウン日比谷」(同千代田区)での爆発物処理の訓練や、解体予定ビルでの震災対応訓練などは行なってきたが、稼働中のビルでこうした犯罪対策訓練を実施するのは初めてという。
警視庁中央警察署、東京消防庁日本橋消防署、同第二消防方面本部消防救助機動部隊、日本橋消防団、ビルスタッフが参加。同ビル屋内において不審者が刃物を振り回し来館者を刺し、放火したという想定で行なわれ、ビルスタッフによる通報など初動対応から、避難誘導や容疑者の確保、消火、救命救護まで一連の流れを確認した。
訓練終了後の講評で、日本橋消防署署長の石澤幸洋氏は「再開発によりまちに多くの人が訪れるようになり、凶悪犯罪が起こるリスクも高まっている。そうした中、このような大規模な訓練を官民連携で実施できたのは非常に有意義」とコメント。三井不動産ビルディング本部運営企画一部部長の中原 修氏は「防犯でも自助・共助・公助の意識を日頃から高めて実践していくことが大切。当社も日本橋地域の関係者の一人として、地域の安心・安全をつくっていく取り組みを今後も進めていきたい」と話した。