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築10年マンション、首都圏は新築から48%値上がり

 (株)東京カンテイは30日、2024年の築10年既存マンションのリセールバリュー(RV)調査(改定版)を公表した。

 分譲マンションの新築時価格と築9~11年の既存流通時の売出価格を比較してRVを算出した。今回より「改訂版」として、従来は考慮していなかったサンプル住戸の「階層」を算定の要素として加えた。所在階層を5階層ごとに区分し、一定以上のサンプルが確保できるグループのみを対象にデータを抽出、駅別に集計して分析している。

 首都圏で築10年既存マンションのRVが算出可能な駅は404駅で、平均RVは148.8%だった。最もRVが高かったのは、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅の336%、新築時の平均坪単価が414万3,000円だったのに対して、築10年流通時坪単価は1,392万円だった。2番目に高かったのは同南北線「六本木一丁目」駅で332.0%、3位は同半蔵門線「半蔵門」駅で317.8%だった。4位の都営大江戸線「赤羽橋」駅の305.9%まで含めて、上位4駅が300%以上となり、新築時から3倍以上値上がりしていることが分かった。

 近畿圏では194駅でRVを算出し、平均は138.6%。最もRVが高かったのはJR大阪環状線「大阪」駅の258.1%(新築時246万7,000円、流通時636万7,000円)、2位は大阪メトロ長堀鶴見緑地線「西大橋」駅で240.1%、3位は同御堂筋線「中津」駅で223.4%となった。近畿圏でも上位6駅が200%を超えた。国内外の富裕層・投資家層の需要が強く、20年以降の価格上昇が著しいことから、RVも上昇傾向を示している。

 中部圏は67駅でRVを算出して平均111.1%。最もRVが高かったのは名古屋市営地下鉄名城線「久屋大通」駅の168.2%(新築時211万8,000円、流通時356万3,000円)。2位は同線「東別院」駅で149.4%、3位はJR東海道本線「名古屋」駅で145.4%だった。

 地方圏でRVが算出可能だったのは197駅で、その平均は123.4%だった。最も高かったのは福岡市営地下鉄七隈線「薬院大通」駅の201.7%(新築時186万円、流通時375万2,000円)。2位はしなの鉄道「軽井沢」駅で189.3%、3位は福岡市営地下鉄空港線「赤坂」駅の185.2%だった。地方圏では、各圏域の中核都市だけでなく、軽井沢や沖縄といったリゾートエリアのRVが高くなっている。


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