シービーアールイー(株)は4日、2025年第3四半期の日本の投資市場動向を発表した。
当期の日本における事業用不動産の投資額(10億円以上の取引)は、2兆920億円(前年同期比68%増)。四半期ベースの投資額では、05年の調査開始以来で過去最大となった。投資主体別では、JREITによる取得額は2,730億円(同27%減)と4四半期連続で減少。JREIT以外の国内投資家の取得額は1兆1,640億円(同91%増)だった。海外投資家による取得額は6,560億円(同2.5倍)の大幅増。
アセットタイプ別では、ホテルを除くすべてで対前年同期比2ケタ以上の伸び率に。特に伸び率が高かったのはオフィスで、投資額は8,040億円と同2.6倍に拡大した。次いで伸び率が高かったアセットタイプは住宅で、3,020億円(同96%増)。商業施設は1,600億円(同72%増)、複数の100億円以上の取引がみられた。
物流施設の投資額も3,460億円(同70%増)と大きく伸びた。ホテルの投資額は3,330億円(同2%減)と、前年同期からほぼ横ばいとなったが、四半期ベースの投資額としては過去4番目の水準。特に、海外投資家によるホテルの取得額は対前年同期比4.5倍へと拡大しており、引き続き海外投資家に人気なアセットタイプとなっている。
今期のJREITによる取得額(10億円未満を含む全取引)は2,537億円(同38%減)、売却額は2,961億円(同2.1倍)と大きく伸長。オフィスが1,106億円(同61%増)と、3期連続で全アセットのうち最大に。住宅の取得額は240億円(同56%減)、物流施設は42億円(同92%減)、商業施設は36億円(同93%減)にとどまった。
東京のプライムアセットの期待NOI利回りは、オフィス(大手町)で12期連続の横ばい。商業施設(銀座中央通り)、賃貸マンション(ワンルームおよびファミリー)はいずれも前期(Q2)から横ばいで推移している。一方、物流施設(首都圏湾岸マルチテナント)およびホテル(主要5区、運営委託型)はいずれも低下、過去最低を更新した。