(一社)全国古家再生推進協議会は8日、大阪中央公会堂で設立10周年記念イベントを開催。同協議会会員や賃貸住宅オーナーを中心に、約300人が参加した。
同協議会は、地域にある一戸建て空き家の再生スキームの提供を通じて、中小工務店の経営安定化、サラリーマン大家の育成と経済的自立、地域課題の解決を図る目的で2014年7月に設立した。会員は、収益物件の購入を考える個人など2万人超。全国の工務店や宅建業者を対象にした空き家再生の専門家「古家再生士」と、サラリーマン等を対象とした空き家投資の専門家「古家再生投資プランナー」を育成。古家再生士が投資に適した地域の空き家をツアー形式で案内。古家再生投資プランナーとマッチングする形で、空き家・古家への投資・再生につなげている。
式典では、この10年間の活動成果が発表された。同協議会のセミナーの受講により誕生した古家再生士は35人、古家再生投資プランナーは1,443人に達した。全国38エリアで空き家・古家の見学ツアーを2,200回以上開催し、2,467戸の一戸建空き家を再生した。一戸当たりの購入金額は平均294万円、リフォーム費用は277万円。貸出し家賃は平均月額6万2,000円。利回りは平均13.5%。その経済効果は72億円と算出した。
式典で挨拶に立った同協議会の大熊重之氏は「私も協議会もまったく知名度がない中でのスタートで、最初のころはセミナー参加者がゼロという時もあった。その頃から私を信じてついてきてくれ、共に支えてきてくれた皆さまに感謝したい。当協議会は投資を募ることが目的ではない。人材育成を通じてサラリーマン投資家と工務店に自立してもらうため、古家を再生し資産に変えることで、入居者・大家・工務店・地域の“4方よし”を目指してきた」などと語った。
続けて「2030年までに、古家再生士を100人に、古家再生投資プランナーを3,000人に増やし、全国でのツアーを通じて1万棟の空き家・古家を再生したい」と抱負を述べた。