不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

神戸大学敷地内で学生・高齢者が共に暮らすまちづくり

 国立大学法人神戸大学と(株)学研ココファンは11日、「大学連携CCRC(Continuing Care Retirement Community)の拠点開発を連携して進める、と発表した。

 認知症予防で先進的実績のある同大学大学院保健学研究科が設置されている同大学名谷キャンパス敷地の一部を用いて、高齢者住宅・認知症ケア事業の知見を融合させた、多世代共生のまちづくりを行なう。

 同社が同大学と定期借地契約を締結し、鉄骨造地上5階建て、延床面積約6,372平方メートルの建物を開発する。建物内には学生マンション、サービス付き高齢者向け住宅、介護付き有料老人ホーム、認知症グループホームを設け、高齢者と学生が共に暮らし、交流する環境を創出する。入居者交流を深める交流ホールや、大学の研究室もこの建物内に整備する。
 また、企業や自治体と連携。トータル・ヘルスケア・サイエンスの拠点として、認知症ケアや福祉の研究フィールドとしても活用し、認知機能やADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の維持・向上に向けたアプローチ、AI・DXを活用したケア手法といった分野で、新たなケアモデルの開発を進める計画。

 記者会見に参加した(株)学研ホールディングス取締役常務執行役員兼学研ココファン代表取締役・CEOの小早川 仁氏は、「今回の拠点では、高齢入居者について24時間365日のライフログを取得する計画。そして、多くの企業にも参画していただき研究を進め、新たなサービスやプロダクトの開発につなげていきたい。学生、高齢者等が安心して暮らせる拠点、さらには認知症という課題に向けてアウトプットできる拠点として開発する」と説明した。

 神戸大学学長の藤澤正人氏は「今回の取り組みにより、誰もが幸せに暮らせる社会、多世代が安心して暮らせる社会を実現し、広く社会に貢献していきたい」と述べた。


最新刊のお知らせ

2025年12月号

コスパと効果、どちらも大切! ご購読はこちら