三菱倉庫(株)は14日、神奈川県平塚市でマルチテナント型物流施設を開発すると発表した。
1970年より開発予定地において倉庫営業を営んできたが、2015年に平塚市の「ツインシティ大神地区土地区画整理事業」が都市計画決定され、その一環で営業倉庫敷地部分が一部減歩されることとなり、18年に当該倉庫を解体。「残存建物についても老朽化が進んでいたことから、資産の有効活用を目的に隣地を取得し敷地を整形した上で、新たな物流施設として開発することにした」(同社不動産事業部長・瀬ノ尾 竜一氏)。
新東名高速道路「厚木南」ICから約1.3km、東名高速道路「厚木」ICから約3km。約2万4,300平方メートルの敷地に鉄骨造4階建ての建物を開発する。延床面積は約4万8,400平方メートルと、従前建物の約2.8倍の面積を実現する。トラックバースを1・3階に設け、スロープ式のメゾネットタイプとし、最大8テナント区画に分割できるようにする計画。荷役、輸配送、流通加工、国際輸送といったこれまでの倉庫業で培ったロジスティクス機能をテナントに提供する計画としており、これにより他の施設との差別化を図る考え。
なお、これまで同社は、倉庫を開発した場合、ロジスティクス事業部門での自社仕様を前提としてきた。今回は投資回収速度と資産効率の向上を図るべく、マルチテナント型物流施設として開発する。トラックレコード取得後30年を目途に売却する計画。
記者を集めての説明会で同社代表取締役社長の斉藤秀親氏は、「2月に新たな経営計画を策定し、新たな取り組みや事業の方向性を示した。その一環として今回初の物流不動産を手掛けることを決めた。これまで取り組んできた物流事業と不動産事業のシナジーを発揮し、当社らしい価値を創出したい」と述べた。