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25年度上期の仲介実績、リバブルが初のトップに

 (株)不動産流通研究所は18日、「主要不動産流通各社の2025年度上期仲介実績」調査の結果を公表した。2025年度上期における不動産流通各社の売買仲介の実績についてまとめたもの。大手流通各社にアンケート調査を実施し、21社から回答を得た。(下に一覧表)

 21社中、手数料収入を増やしたのは14社、そのうち5社が2桁増を記録した。市場の好調ぶりは継続しているものの、前年同期の23社中18社が増加、10社が2桁増という結果と比べると、市場全体の勢いはやや減速したように見える。上位の東急リバブル(株)と三井不動産リアルティグループは共に手数料収入を増やしたが、わずかな差でリバブルが上期で初のトップに。

 リバブルは個人仲介部門で生産性の向上や積極的な店舗展開なども相まって成約件数・手数料収入共に増加。法人仲介では、ファンド・不動産事業者と顧客属性を問わず活発な市場の中で、成約価格10億円以上の案件が増加したことも好業績につながった。
 三井リアルは店舗数再編等の影響によって取扱件数が減少。都心部を中心に取扱単価が大きく上昇したこともあり、手数料収入が増加した。
 3位の住友不動産ステップ(株)は都心部店舗への集約・統合とスタッフの再配置によって効率化を図ったことが奏功し、手数料収入が増加した。
 野村不動産ソリューションズ(株)は、好調な都心エリアや、富裕層による不動産投資・資産組み換えニーズの拡大を背景に取扱単価のアップが奏功し、取扱件数は微減ながら取扱高と手数料収入が大幅増となった。

 当期の個人仲介市場は、都心部を中心に既存マンション等の価格上昇が依然として継続し、当面はこの状況が続くとみられる。そのため、実需ユーザーの動きは鈍く、個人仲介では取扱件数を減らす会社が続出した。ただし、国内外の富裕層や個人投資家の動きはさらに活発化しており、高額物件が活発に取引されたため、手数料収入は前年よりもアップしたという声がほとんど。「都心・城南・城西エリアが特に好調」(三菱地所グループ)、「都心部は価格上昇が継続して契約件数が減少傾向にある」(住友林業ホームサービス(株))。

 郊外部においては、同エリアを得意とするポラスグループや小田急不動産(株)、京王不動産(株)などが取扱件数を大きく増やしており、需要の活発さが見て取れる。「低価格帯の物件も動いており、平均価格は前年同期よりも低下した」(小田急不動産)、「第1四半期に売却相談が増加したが、第2四半期に入って購入相談が増加してきた」(京王不動産)。
 都心の価格高騰によって検討エリアを広げた需要層も多いと見られ、人気エリアでは都心ほどではなくとも価格上昇傾向が継続しているという。ただし、エリアによっては価格の調整が進み始まっているという声も多く、郊外に関しては一服感の兆しも見える。

 法人仲介では、ファンドや不動産事業者などの動きが変わらず活発で、多くの会社が手数料収入を伸ばしたようだ。「東京に限らず、地方圏、特に関西や九州エリアの取引が好調。ホテルやレジデンスへの購入・投資姿勢が強い」(三菱地所グループ)、「インフレ対応型のアセットとして、ホテルや都心商業物件に注目が集まっている。地方圏はインバウンドの強弱が不動産ニーズの濃淡に影響している」(東京建物不動産販売(株))。

◇主要不動産流通各社の2025年度上期仲介実績

※東急リバブルの手数料収入は賃貸仲介および賃貸関連収益を含む。三井不動産リアルティグループの手数料収入は、売買仲介・賃貸仲介、賃貸管理収益などを含む仲介セグメントの収益。住友不動産販売の手数料収入は賃貸仲介含む。三菱地所グループは三菱地所リアルエステートサービス(株)と三菱地所ハウスネット(株)の合算。東京建物不動産販売と住友林業ホームサービスは25年12月期上期、積水ハウスグループは26年1月期上期、ほかは26年3月期上期の数値 ※増減は前年同期比


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