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名店メニューの取り寄せ事業さらに拡大/三井不

「mitaseru」の今後の事業展開について説明する松本氏

 三井不動産(株)の連結子会社で、取り寄せグルメサービス事業「mitaseru(ミタセル)」を展開する(株)mitaseru JAPANは20日、同サービスの今後の事業戦略についての説明会を開催した。

 同サービスは、立地や客席数といった物理的制限による売り上げの限界に加え、人手不足などに悩まされる飲食店の課題解決を目的に、2023年4月に開始。食材調達から製造、販売までを一気通貫で請け負う事業モデルで、参画店舗が提供したレシピを基に専門の料理人が調理、急速冷凍したものをmitaseruを通じ一般消費者に届けることで、名店メニューを自宅で手軽に味わえる。

 人手不足を背景に、飲食店から「自社で手掛ける取り寄せサービスで売り上げを拡大していくことが難しい」「商品発送の負担が大きい」といった声が多数挙がってきたことから、新たに「商品の完全買い取り販売(商品仕入れ販売モデル)」を展開する。飲食店が製造した商品を同社が仕入れ、飲食店に代わり、オンラインストアでの販売、在庫保管や発送、顧客対応をすべて担うことで、飲食店の事業拡大をサポートする。

 また、三井不動産が資本業務提携を行なっている(株)SUPER STUDIOのAIコマースプラットフォーム「ecforce」を用い、オンラインストアを刷新。定期便サービス「名店ごちそう便」やポイント制度「mitaseru CLUB」などのサービスを新たに設け、顧客満足度の向上を図る。ネット上のEC販売にとどまらず、オフライン販売の強化にも注力。個食パッケージを開発し、商業施設「ニュウマン高輪 North」(東京都港区)1階の「明治屋高輪ストアー」や「松屋銀座」(東京都中央区)にて販売を開始しているほか、百貨店催事での販売も行なっている。

 サプライチェーンのさらなる強化を図るため、大阪府の外部パートナーのキッチンを使用したこれまでの製造・発送に加え、三井不動産の物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク船橋(MFLP船橋)」(千葉県船橋市)内に新たな製造拠点を設ける。すでに着工済みで、竣工・稼働開始は26年夏を予定する。

 同事業への25年11月20日現在の参画店舗数は50店舗で、97商品を取り扱う。30年の参画店舗数100店舗、売り上げ50億円を目指す。説明にあたったmitaseru JAPAN代表取締役の松本大輝氏は「まずは国内の顧客に向けた販売活動を強化していきたい。顧客の声を拾っていきながら、どういった商品や購買体験が評価されるのか分析していく。定期便での販売活動を強化し、顧客のリピート注文を促進していく。中長期的には海外への事業進出も見据えながら、サービス拡大に取り組む」と話した。


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