(株)ザイマックス不動産総合研究所は21日、「大都市圏オフィスワーカー調査2025」を発表した。
企業とオフィスワーカーそれぞれの視点から働き方と働く場所の変化を捉えるため、2016年から行なっているもの。対象は、職業が「会社・団体の役員、会社員・団体職員、自営業主」、職種が「管理的職業、専門的・技術的職業、事務的職業、営業職業」、在籍するオフィスが「首都圏(東京都および神奈川、千葉、埼玉の3県)、大阪、名古屋、福岡の3市」、住まいが「首都圏、岐阜、愛知、三重、滋賀、兵庫、奈良、和歌山、福岡、佐賀の9県、京都、大阪の2府」、現在の主に働いている場所が「オフィス(事務所)、自宅」と回答した、20~69歳の男女。25年9月にインターネットでアンケート調査を実施。有効回答数は4,120人。
調査対象の働き方を「完全テレワーク」「ハイブリッドワーク」「完全出社」の3つに分類し、オフィスの所在地別に見たところ、「完全出社」が首都圏では46.9%(前年比0.3ポイント低下)、大阪市57.3%(同1.5ポイント低下)、名古屋市63.9%(同2.2ポイント上昇)、福岡市65.0%(同3.4ポイント上昇)だった。
現在の働き方について「在籍するオフィス」、「自宅(在宅勤務)」「サテライトオフィス」、「その他の場所」といった働く場所ごとの時間配分を聞き、オフィス所在地別に平均を見ると、「在籍するオフィス」で働く時間割合は、首都圏が74.5%(同0.5ポイント低下)、大阪市81.9%(同1.1ポイント低下)、名古屋市87.3%(同0.7ポイント増加)、福岡市84.7%(同0.7ポイント低下)。また、在籍するオフィス以外で働く時間(テレワーク)の大部分を在宅勤務が占める傾向が続いている。
働き方に関する施策について、現在利用・実施しているものと、今後利用・実施したいと思うものを聞くと、現在の利用率では、トップが「オンライン会議ツールの活用」(51.3%)。次いで「仕事でのチャットツールの活用」(49.0%)、「モバイルワークの活用」(32.7%)。また、「勤務先の許可を得た副業・兼業」や「勤務先の許可を得たワーケーション」、「二拠点居住で働く、郊外・地方へ移住して働く」については、現在の利用率は低いものの一定のニーズが見られる結果となった。
現在の働き方に対する不満・課題については、「通勤が苦痛に感じる」(44.3%)と「テレワークでできる仕事でも出社を要求される」(39.9%)の上位2項目が突出して高かった。
3位以下には「周りの雰囲気や上司の意向でテレワークしづらい」(18.8%)「在宅勤務が禁止になった・制限されるようになった」(18.7%)など、テレワークができないことに関する不満が多かった。同社は「テレワークが一般的になる中、不必要な出社を強要することはワーカーの不満に直結する可能性が高い」と分析している。