不動産情報サービスのアットホーム(株)は25日、「地場の不動産仲介業における景況感調査」(2025年7~9月期)の結果を発表した。
同社加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる不動産店の経営者層を対象に、不動産流通市場の景気動向をアンケート調査したもの。北海道、宮城県、首都圏(1都3県、東京都は23区と都下)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の13都道府県14エリアで前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出した(DI=50が前年並み)。調査期間は25年9月12~25日。有効回答数は1,899店。分析はアットホームラボ(株)。
当期の賃貸仲介の業況DIは、首都圏が49.0(前期比1.9ポイント下落)、近畿圏が44.6(同1.5ポイント下落)と、いずれも2期連続で下落した。前年同期との比較では、首都圏は0.5ポイントプラス、近畿圏は3.5ポイントプラスと、いずれも上昇した。
エリア別では、14エリア中11エリアで前期比下落した。首都圏では神奈川県を除き前期から下落したものの、東京23区は53.0と、50以上を維持。不動産店からは「転勤族の需要が目立った」(東京都千代田区)などのコメントが寄せられた。
また、前年同期との比較では8エリアで上昇、うち3エリアは近畿圏だった。不動産店からは「外国人の就労者用の賃貸物件のニーズが以前に比べて増えている」(大阪府岸和田市)などの意見が挙がった。
売買仲介の業況DIは、首都圏が45.7(同1.4ポイント上昇)、近畿圏が41.0(同3.5ポイント下落)。前年同期と比較すると、首都圏は2.2ポイントプラス、近畿圏は1.1ポイントマイナス。近畿圏は22年4~6月期以降の最低値だった。エリア別では14エリア中7エリアで前期比上昇し、うち5エリアは首都圏が占めた。
25年10~12月期の見通しDIは、賃貸仲介が首都圏49.8(今期比0.8ポイント上昇)、近畿圏45.0(同0.4ポイント上昇)。売買仲介では首都圏44.0(同1.7ポイント下落)、近畿圏40.5(同0.5ポイント下落)を見込む。
今回の調査結果について、アットホームラボ(株)執行役員データマーケティング部部長の磐前淳子氏は、「賃貸では全体的に底堅さを保ったが、特に東京23区において転勤や転職を契機とした住み替え需要が続き、8期連続でDI=50を超える結果となった」と分析している。