国土交通省は25日、「三大都市圏及び地方四市の短期売買(購入後1年以内の売買)や国外居住者による取得状況」調査結果を公表した。
近年のマンション取引の実態把握を目的に、法務省の不動産登記情報および民間の価格データ情報を活用し調査を実施。対象は、2018年1月~25年6月に保存登記がなされた三大都市圏(東京・大阪・名古屋)および地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)の新築マンション約55万戸。
保存登記期間24年1~6月における短期売買の状況を見ると、東京圏が6.3%(23年比2.6ポイント上昇)、大阪圏5.6%(同2.2ポイント上昇)、名古屋圏1.6%(同0.6ポイント上昇)。東京圏と大阪圏で高めの割合となったが、名古屋圏では短期売買の動きが見られないことが分かった。
都心ほど短期売買の割合は高く、東京都では8.5%(同3.3ポイント上昇)だが東京23区は9.3%(同3.6ポイント上昇)、都心6区12.2%(同5.1ポイント上昇)。また、東京に近い横浜市が5.7%(同2.3ポイント上昇)、川崎市8.2%(同5.3ポイント上昇)と割合が高くなったほか、大阪市7.2%(同2.4ポイント上昇)、神戸市12.1%(同6.5ポイント上昇)も高い割合を示した。
東京23区における短期売買の動向を、住所の所在地別に見ると、国内に住所がある者については、近年は6~9%前後で推移。一方、国外に住所がある者については7.0%(同3.1ポイント上昇)で、近年増加の傾向が見られるとした。
都心6区における価格別の短期売買の状況では、短期売買数全体(768戸)に占める、国外に住所がある者による短期売買数の割合は2.6%と、3%未満に。うち、2億円以上の物件の短期売買はなく、国外に住所がある者が2億円以上の物件を活発に短期売買しているという傾向は特に見られなかった。
東京23区の新築マンション(専有面積40平方メートル以上)の短期売買動向を、大規模物件・大規模物件以外で見たところ、大規模マンション(1棟当たりの保存登記数が100件以上)は9.9%(23年比5.8ポイント上昇)、大規模マンション以外3.3%(同0.9ポイント上昇)。大規模マンションの割合が大幅に上昇していることが判明した。
国外に住所がある者による新築マンションの取得状況は、東京都が3.0%(24年比1.5ポイント上昇)、大阪府2.6%(同1.3ポイント低下)、京都府2.3%(同0.8ポイント低下)と、高い割合を示した。東京23区で新築マンションを取得した国外に住所がある者の国・地域は、台湾が192件(同87件増)と突出して多い。ほか、中国や香港が多く見られることに加え、シンガポール、米国、英国からの取得も一定数存在している。