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25年上半期、不動産を売却した上場企業は微減

 (株)東京商工リサーチは11月28日、2025年度上半期「上場企業 不動産売却」調査の結果を発表した。2025年4~9月に国内不動産の売却を開示した企業を調査した。

 東京証券取引所に株式上場する3,783社(9月末時点)のうち、当期に国内不動産の売却契約を締結したの上場企業は28社(前年同期比12.5%減)だった。そのうち、譲渡損益を公表した企業は25社(前年同期:30社)。そのうち譲渡益を計上したのは24社(同:27社)で、総額1,000億3,900万円(同:461億4,500万円)と、前年同期から大幅に増加した。譲渡益が100億円以上となったのは5社(同:1社)。一方、譲渡損を公表したのは1社(同:3社)だった。

 売却面積を公表したのは23社で、総面積は48万4,862平方メートル(同:25社、同:59万2,748平方メートル)。合計1万平方メートル以上を売却した企業は9社(同:10社)。譲渡価額を公表したのは14社(同:11社)で、総額629億100万円(同:250億6,400万円)だった。業種別では、「小売業」が最多で5社と、4年連続で最多となっている。2位は「電気機器」「化学」「機械」「不動産業」が各3社と並んだ。

 売却の理由については、経営資源の効率的な活用や財務体質の強化を目的とするケースが多い。一方で、拠点新設を目的に土地を取得したものの、建設コスト上昇によって計画を取りやめて、土地を売却したケースも複数見られた。

 同社は、コロナ禍以降、働き方改革に伴う業務スペースの見直しなどで、不動産売却は22年(114社)にピークに達し、その後は減少となっている。財務リストラの進展や建設コスト、金利などの上昇で投資判断のハードルが上がっており、企業の不動産売却はしばらく鈍化する可能性があるとしている、と予測している。


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