国土交通省は1日、「賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議」(座長:中城康彦明海大学不動産学部学部長)の2回目となる会合を開催。検討を進めることになった4つのテーマの主な課題(案)について、意見交換を行なった。
まず、業界団体がそれぞれに抱える課題等を発表。(公社)全国宅地建物取引業協会連合会は「賃貸管理業務等に係る収益性の低さ」を喫緊の課題に挙げ、(一社)全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)は「大切なのは“人間力”、“人的管理”で人と地域を守っていくことが求められる」と、管理業の役割・責任について述べた。(公社)全日本不動産協会(全日)は、総管理戸数200戸未満かつ登録をしていない層に対する任意登録の普及・促進に係る取り組みを披露。(公財)日本賃貸住宅管理協会(日管協)は、管理業務と報酬を見える化することの重要性について、また「資産価値の向上を図るため長期修繕計画の策定に管理会社がサポートしていくことが必要」と述べた。
同省が、日管協・全宅管理・全日の会員を対象に、10月20日~11月6日に行なった「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」の結果を発表した。4万4,203件に対し1,403件の回答があり、有効回答数は886件。
月額家賃に対する報酬率については、「3~5%未満」が51.9%と最多。次いで「5~10%未満」が38.8%に。また、ほとんどの管理業者は報酬を得て管理業務を実施しており(97%)、報酬水準と受託している管理業務の数とは比例する結果となった。
引き続き、4つの検討項目である(1)賃貸住宅管理業者が提供するサービスの見える化、賃貸住宅管理業としての報酬、(2)賃貸住宅管理業の任意登録の促進、(3)『賃貸不動産経営管理士』の社会的認知度の向上、(4)管理業の地域貢献の主な課題(案)について意見交換を実施。
「賃貸住宅における長期修繕計画策定は積極的に行なっていただきたい」「要配慮者支援、外国人受け入れと共生などの社会課題をサブリースで解決できるというのは新たな視点」「任意登録を促進させるための具体的な取り組みを検討していく必要がある」「賃貸管理士の資質を高めていくことで、賃貸管理士ルートへの一本化が図れるのでは」などの意見が挙がった。
第3回は、2026年1月30日(金)15時から開催する予定。3回にわたる議論を踏まえ、25年度内に一定の方向性をとりまとめる。