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内幸町の再開発、「NTT日比谷タワー」着工

内幸町一丁目完成予想パース。中央の一番高いビルが「NTT日比谷タワー」

 NTT都市開発(株)と東京電力パワーグリッド(株)は8日、内幸町一丁目街区中地区の開発について記者発表会を開催。1日に着工した「NTT日比谷タワー」の詳細を明らかにした。

 敷地面積約2.2ha、鉄骨造、鉄筋コンクリート造地上48階地下6階建ての大規模複合ビルを開発する。延床面積は約36万1,000平方メートル。建物仕様の設計工夫により、従来の建物に必要なエネルギー消費量を50%以下にまで削減する「ZEB Ready」をオフィス部分において実現。さらにNTTが提唱するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の実装による未来予測での建物設備の最適制御、光電融合デバイスの活用による超・低消費電力化に加え、将来的には光量子コンピューターなどの新たな技術による運用効率化なども進め、持続可能なまちづくりにつなげる。

 11~42階は基準階面積約1,600坪の無柱空間を実現したオフィス。NTT(株)の本社を移転するほか、テナントビルとしても運用する。3~5階は飲食、物販などの店舗で構成する商業施設。6階は国際会議に対応可能な大宴会場と中宴会場、44~48階は100室規模のスモールラグジュアリーホテルとし、いずれも(株)帝国ホテルが運営する。9階に開設するホールには約400席の客席を備え、クラシックやポップスなどのコンサートのほか、新サービスの発表会、講演会などのビジネスシーンでも利用できる施設とする。
 7~10階に開設する産業支援施設は、IOWNなどの最先端技術により、世界中のさまざま企業・人々とイノベーションの創出を支援する。

 パブリックスペースも整備。日比谷公園とつながる道路上空公園を整備するほか、屋内貫通通路「(仮称)Cross Gate」や南地区と連携整備する基壇部上広場なども整備。憩い、にぎわいの空間を提供する。
 竣工は2031年を予定。

 登壇したNTT代表取締役社長の島田 明氏は、「電電公社の時代から縁の深い日比谷にちなみ、名称を『NTT日比谷タワー』とした」とし、「ここで『新しいビジネスイノベーション』『新たなライフスタイルエンターテインメント』『超・低消費電略化によるサステナビリティ』を提供していく」と説明。NTTアーバンソリューションズ代表取締役社長 社長執行役員の池田 康氏は「国内最大級の規模を誇る今回のタワーには、オフィス、産業支援、商業など6つの用途を整備。圧倒的な省エネと快適性の両立を実現する」と力強く語った。

基壇部上広場イメージ
内幸町一丁目中地区の開発地。奥に見える建物は帝国ホテル


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