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リビタ、リノベ新ブランドのフラッグシップ住戸が完成

リノベーションされた「代々木の杜ハイツ」のLDK。ガラスブロックは、昭和の趣を表すものとして従前の住戸よりも大胆に配置している

 (株)リビタは9日、同社の区分マンション買取再販事業における新ブランド「icco icco (イッコイッコ)」の協業型プロジェクト「icco+c(イッコプラスシー)」のフラッグシップとなる2つの住戸を、報道陣に公開した。

 「icco icco」は“一戸を唯一の住まいに”をコンセプトに、同社の既存ブランドを再編したもの。「icco+c」は、ものづくりをはじめとするさまざまな分野の専門家と協業。パートナーが持つ知見や技術を生かした唯一無二の物件を生み出していくことを目指している。

 完成したのは、「代々木の杜ハイツ」(東京都渋谷区、総戸数125戸、1973年築)の住戸と、「サンビューハイツ南青山」(同港区、総戸数42戸、1980年築)の住戸。

 「代々木の杜ハイツ」は、木工家具メーカーの(株)マルニ木工と協業。古き良きマンションの魅力を残しつつ再構築することをテーマに空間設計した。従前、リビング壁の一部に使用されていたガラスブロックの意匠を、昭和の雰囲気を表すものとして、寝室とLDKの境界として弧を描くように再配置。和室はリビングから小上がりの空間とするなど、従前の趣を踏襲しながらブラッシュアップした。また、マルニ木工が造作したダイニングテーブルのモールディング材をカウンターキッチン、折り上げ天井にも施すなどの工夫で、家具と建築の調和を図っている。
 間取りは2LDK+WIC。専有面積は98.13平方メートル。11月下旬にウェブサイトを公開し販売活動を開始しており、住戸のヴィンテージ感に共感する層から、順調に内覧申し込みが入っているという。販売価格は1億5,980万円。

 「サンビューハイツ南青山」は、京都府綾部市の黒谷和紙漉き師であるハタノワタル氏と協業。和紙をリビングダイニングの壁面・天井全体に用い、空間全体が外からの自然光で柔らかく満たされるようにした。表参道のシンボルであるケヤキ並木から着想し、グリーンの顔料を混ぜた和紙で仕立てた壁もアクセントとして用意。床材は、和紙の空間になじむウールのカーペットとした。一方、リビングダイニングの飾り棚の天板にはステンレスを、寝室の壁は和紙ではなくヒノキを削る際に出た端材を混ぜ合わせたクロスを用いるなど、空間にメリハリを持たせている。
 間取りは2LDK+WIC+SIC。専有面積80.53平方メートル。同様に11月下旬にウェブサイトを公開し販売活動を開始。販売価格は2億2,800万円。

 「icco+c」は、2026年度中に都内でさらに2住戸を供給する予定。協業の枠組みも順次拡大していく。

「サンビューハイツ南青山」の住戸では、リビングダイニングの壁や天井を和紙で仕上げ、外からの自然光が空間を満たすよう工夫


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