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(株)ボルテックスは16日、リノベーションホテル「yugen kyoto shijo」(京都市下京区、総客室数58室、9月29日開業)、「soyo-ne kyoto sanjo」(同市中京区、総客室数8室、9月8日開業)、「soyo-ka kyoto sanjo」(同、同、9月29日開業)を報道陣に公開した。コロナ禍で開業中止に追い込まれたホテルを取得。業務提携しているリノベる(株)の手により、内装を中心にリノベーションした。
3つのホテルは、もともと同じ事業主により開発されていたが、コロナ禍による旅行需要の冷え込みで開業に至らず、5年にわたり遊休不動産として放置されていた。ボルテックスは、コロナ禍後の旅行需要の回復、訪日外国人の増加、長期滞在ニーズの増加を受け、適切な改修を行なうことで再生できると判断。2025年3月に取得した。同社はコロナ禍前に都内で2棟のホテルを開発した実績はあるが、すでに売却済み。約5年ぶりのホテル事業となる。
今回のプロジェクトは、ボルテックス100%出資のSPCが物件を取得。リノベるが、コンセプトや改修内容等の企画と設計・施工、客室や共用スペースの家具や什器・備品の選定を担当。(株)フィーノホテルズとKeeyls(株)に運営を委託した。事業期間はおおむね5年程度を予定。今後トラックレコードを整えた上で、適格機関投資家への出資持分販売など、さまざまな出口を検討していく。
改修に当たっては、木質天井、無垢材の床、ジョリパット仕上げの壁など、既存の内装設備は極力活用し、専有部の家具や什器に投資を集中。京都市内に不足しているラグジュアリーホテルとビジネスホテルの中間価格帯(1泊5万~10万円前後)の「スモールラグジュアリーホテル」として、上質でありながら自宅のようにくつろげる空間づくりを目指した。各ホテルの1階テナントは外部利用が可能なレストラン、カフェとしてまちに開いたホテルとする。
「yugen kyoto shijo」は、阪急京都線「京都河原町」駅徒歩6分に立地。建物は鉄骨造地上5階地下1階建て、延床面積約4,890平方メートル。20年築。客室は10タイプ、30~94平方メートル。工事が中断されていたレストランやジム等の共用部工事を行ない、レストランとフロントを仕切っていた壁を抜くなどして解放感を出したほか、外構のデザインを刷新。3ホテル共通のピクトサインをあしらった。大浴場も設置されている。
「soyo-ne kyoto sanjo」は、京都市営地下鉄東西線「京都市役所前」駅徒歩8分に立地。建物は鉄骨造地上5階建て、延床面積約890平方メートル。20年築。1フロア2室で客室面積は49平方メートル。客室は長期滞在を意識し、大型ストレージ等に面積を割いている。
「soyo-ka kyoto sanjo」は、京都市営地下鉄南北線他「烏山御池」駅徒歩5分に立地。建物は鉄骨造地上5階建て、延床面積約1,060平方メートル。1フロア2室で、47平方メートルと86平方メートル。4室は浴槽をタイル張り、檜で縁取るなど浴室をアップグレード。4室は浴室横に枯山水風のレストスペースも設置した。またロビーには、ワークスペースも設置している。
ADRは5万円前後に設定。通年稼働率は80%台中盤を想定している。開業当初は稼働率70~80%で推移したが、現在は90%前後まで上昇。3ホテルとも週末を中心に満室状態だという。宿泊客の9割は、欧米を中心としたインバウンド。既存ホテルのリノベーションや、ファンドからの事業譲渡など、今後も全国の主要都市や観光地を中心に、新たな事業機会を模索していく。
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