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贈与税非課税措置等のEBPM検討を開始

住宅税制の効果検証について、意見交換が行なわれた

 国土交通省は3日、「住宅税制のEBPMに関する有識者会議」(座長:清水千弘一橋大学ソーシャル・データサイエンス学部教授)の5回目の会合をオンライン併用形式で開いた。EBPM(Evidence Based Policy Making)とは、明確なエビデンスに基づいて政策との関連をロジックモデルとして示した政策立案のことを意味する。

 同会議は、2022年の国会での税法改正付帯決議等で、住宅ローン減税等についての政策効果の検証・公表、租税特別措置に係るEBPMの徹底が求められたことから、主要な住宅税制の効果検証を進めるに当たって設置されたもの。今回の会合では、「住宅資金に係る贈与税の非課税措置」と、「マンション長寿命化促進税制」について意見交換した。

 贈与税非課税措置については、26年12月末に適用期限を迎えることから、それがユーザーの住宅購入行動に与えた影響等について検証。同省によるロジックモデルでは、シニア世代の資産を若年世代の住宅資金として早期移転を図ることで、短期的には民間住宅投資の促進や質の高い住宅の普及加速が見込めるとした。中長期的には、内需拡大、ZEH水準の適合義務化が円滑に実現するなどの効果を見込む。さらに社会的なインパクトとして、住宅ストックの質向上・脱炭素社会の実現・2050年カーボンニュートラルの達成などを挙げた。
 また、贈与者と住宅購入者それぞれ1,000サンプルを対象にしたアンケート調査の結果も公表。贈与者に対するアンケート結果を精緻に分析した場合、非課税措置を認知したことで贈与額が約220万円増加するという結果になった。また受贈者に対して贈与により変化したことを聞いたところ、最寄り駅からの時間・距離や、立地の利便性、住戸の設備・仕様など、より好条件の住宅を購入できたという回答が集まった。
 これに対して出席した委員からは「そもそも、良質な住宅ストック形成に向けた政策を推進する中で、なぜこの制度が重要になってくるのか、メリットをもっと明示すべきでは」「制度の認知度が高くないため、本当は同制度を利用できたのに利用できなかった層もいるのでは。認知度を意図的に高めていく必要がある」などといった声が挙がった。

 また、長寿命化促進税制については、一定の長寿命化工事を行なったマンションの区分所有者に課される建物部分の固定資産税減額を行なった場合、短期的には長寿命化に資する大規模修繕工事の実施や、区分所有者の費用負担軽減などの効果があるとした。また中長期的には、管理不全マンションの発生の抑制や既存住宅流通・リフォーム市場の活性化につながるという。
 委員からは、「長寿命化工事が進んでいないこと自体の検証も必要」「この税制がなかった場合にどのような不経済が発生するのかについても深堀りしていくべき」などの意見があった。

 今後、随時のWG開催などを行ないながら、3月18日に6回目の会議を行なう。その後5~6月をめどに中間とりまとめ案について検討する。


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