三菱地所(株)は10日、大丸有エリア(大手町・丸の内・有楽町)における防災の取り組み「災害ダッシュボード」の新機能実証実験の概要を、報道陣に説明した。
「災害ダッシュボード」は、災害時の情報共有や避難者・帰宅困難者向けの情報の収集および発信を行なう官民連携の情報連携プラットフォーム。同社が開発したソフトウェア「災害ダッシュボードBeta」を仮想クラウドサーバー上で稼働するシステムで、2024年1月に同社と千代田区とで締結した連携協定に基づく形で、その活用が図られている。同年2月には社会実装し、実運用を開始した(詳細は、過去のニュースを参照)。
今回、「東京駅周辺には災害拠点病院がなく、負傷者に対するトリアージ・応急救護、搬送・移送が重要」「通常の検索では相当数の診療所が出てくるが、実際に開院しているか分からない」「区民避難所の混乱回避のため、そこに訪れる帰宅困難者への情報提供が必要」といった課題に対応するべく、機能を拡充。新たに、大丸有エリアの診療所・調剤薬局の開設情報や混雑状況を発信できる機能を実装した。
その機能を活用した実証実験を、25年8月から開始。負傷者の発生から、重篤者が災害拠点病院に移送されるまでの関係者連携を、一気通貫の訓練形式で行なっている。
災害発生時を想定し、エリア周辺の3診療所・3調剤薬局が「災害ダッシュボード」上で開設情報を発信。被災者役が、鉄道駅に掲示した二次元コードから情報を取得することで、診療所等のタイムリーな開設状況を受け取れることを確認する実証を実施した。3診療所ではトリアージ・応急救護についても訓練。容体の安定した重傷者役を、エリア内診療所から近くの災害拠点病院まで移送する流れの確認も行なった。
また、「神田」駅西側にある区民避難所の「千代田区立スポーツセンター」では、帰宅困難者が立ち寄った際、周辺の帰宅困難者一時受入施設への移動を促すため、区民避難所の標識とともに災害ダッシュボードの二次元コードを掲出する実験も実施した。
なお、実証実験は26年2月末まで行なう予定。
現在、「災害ダッシュボード」と「東京都帰宅困難者対策オペレーションシステム」のシステム接続回収を進めていることも明らかにした。今後、千代田区とその周辺5区を加えた帰宅困難者一時受入施設の情報を展開する計画としている。