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ZEHリノベでの快適性、健康への影響等を可視化

実験では、機器を用いて冷暖房停止後の室温の変化、日射遮蔽性能等の環境変化の確認、被験者のバイタルデータの取得などを行なった
ZEHリノベーション住戸では、コールドドラフトの明らかな軽減が確認された(左が通常リノベーション住戸、右がZEH改修住戸での冷気侵入の様子)

 東京建物(株)、YKK AP(株)、慶應義塾大学は、既存住宅をZEH改修することによる快適性向上やウェルネスへの影響について検証する実証実験を実施。24日、その効果について一部を発表した。

 東京建物が保有・運営する築20年の賃貸マンション「Brillia ist 東雲キャナルコート」(東京都江東区、総戸数423戸)で、別階層(6階、11階)ながら同じ方位、同じ2LDKの間取りの住戸について、1戸は断熱改修を中心としたZEHリノベーションを、1戸は通常リノベーションを実施。温熱環境の差や快適性・ウェルネスへの影響等について検証を行なった。

 夏季(2025年8月25~30日、9月1~6日)、冬季(26年2月9~14日、16~21日)の日曜日を除くそれぞれ12日間について、学生がそれぞれの住戸に交互に宿泊。温湿度計やサーモカメラ、日射計などで室内環境を調査し、さらにウェアラブル端末などを用い体温、体組成、歩数、睡眠時の稼働なども含めたバイタルデータを取得・検証。テキストタイピングや算術課題などの作業も実施し、作業効率に与える影響も測定した。結果、睡眠効率、作業効率なども含め、ZEHリノベ環境の方がいずれも高かった。
 冬季の実験結果については、データを取得したばかりで検証はこれからというが、ZEHリノベーションを実施した住戸では、コールドドラフト(窓近傍の冷たい空気の吹きおろし現象)の緩和による快適性向上がすでに確認されているという。

 東京建物執行役員住宅エンジニアリング部長の遠藤 崇氏は、「ZEHリノベーションにより、断熱等性能等級、一次エネルギー消費消費等級はいずれも2ランク向上。室内環境の向上に加え、快適性向上、ウェルビーイングに与える効果についても確認できたことは、今回の実証での大きな成果」と説明した。また、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科の川久保 俊准教授は「主観的なアンケート調査だけではなく、センサーなどを用いてエビデンスを確認できた、非常に有用な実験となった」とコメントした。


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