(株)帝国データバンクは26日、「首都圏・本社移転動向調査(2025年)」の結果を発表した。
25年に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県)と地方をまたいだ本社所在地の移転が判明した企業(個人事業主、非営利法人などを含む)について、同社が保有する企業概要データベースのうち業種や規模が把握されている企業を対象に分析。
それによると、地方から首都圏へ本社を移転(転入)した企業は年間363社(前年比67社・22.6%増)。2年ぶりに300社を超えた。転入社数は1990年以降の35年間で最多。一方、地方へ本社を移転(転出)した企業は年間325社(同38社・10.5%減)。5年連続で300社を超える水準だったものの、3年ぶりに前年を下回った。
結果、転出企業数から転入企業数を差し引いた「転出入超過」は38社と、転入超過に。コロナ禍の2020年以来、5年ぶりの転入超過となった。コロナ禍を経て、対面営業や従業員のオフィス回帰を促す企業が相次ぎ、首都圏へ転入する動きが強まったこと。加えて、首都圏でのビジネスチャンスを求めて移転する中小企業が増加するなど、首都圏の企業吸引力が回復していると同社は分析した。
地方から首都圏への移転で最も多い市区郡は「東京都港区」(56社)。「千代田区」(37社)、「中央区」(34社)、「渋谷区」(26社)と続いた。地方から首都圏へ移転した企業の転入元の最多は「大阪府」(69社、同11社・19.0%増)。
不動産業では、転出が24社(同3社増)と前年を上回り、2年連続で最多を更新した。転入は22社(同3社増)。
首都圏からの転出をめぐっては、ソフトウェア開発など比較的移転の容易な業種が多くを占める状況。一方、コロナ禍に沈静化していた物流センターや工場など大規模な施設の新築・移設を前提とする製造・流通業種で、再び転出の動きが強まっているとしている。