国土交通省が17日に発表した「令和8年地価公示」について、業界団体・企業のトップから以下のようなコメントが発表された(以下、順不同)。
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会 理事長 中村裕昌氏
(一社)不動産流通経営協会 理事長 遠藤 靖氏
(一社)不動産協会 理事長 吉田淳一氏
三井不動産(株)代表取締役社長 植田 俊氏
三菱地所(株)執行役社長 中島 篤氏
住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏
東急不動産(株)代表取締役社長 星野浩明氏
野村不動産(株)代表取締役社長 松尾大作氏
東京建物(株)代表取締役 社長執行役員 小澤克人氏
森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏
令和8年の地価公示は、全国平均、三大都市圏、地方圏とも、全用途平均・住宅地・商業地いずれも5年連続で上昇した。緩やかな景気回復を背景に、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇が継続するなど、地域や用途により差はあるものの全体として上昇基調が続いている。
住宅地は、全国平均では前年と同じ上昇幅であるが、大都市圏のマンション需要が旺盛な地域で高い地価上昇が継続するなど引き続き住宅需要が堅調に推移している。商業地では、主要都市におけるオフィスの賃料上昇傾向による収益性の向上や観光地におけるインバウンド需要により地価上昇が継続している。
全宅連不動産総合研究所が実施する不動産市況DI調査でも、直近の土地価格が実感値でプラス9.5ポイントと20期連続のプラスとなり、依然として不動産市場が好調を維持していることがうかがえる。
一方、これらの地価上昇の継続に加え、長期金利上昇に伴う住宅ローン金利の引き上げや中東紛争の激化による物価上昇などが消費者の住宅取得マインドに及ぼす影響については引き続き注視する必要がある。
本会では、引き続き消費者の住宅取得に関わる各種税制特例の延長措置の要望活動を行っていくとともに、地域社会における宅地建物取引業の地位向上を目指していく所存である。
令和8年地価公示では、全国平均において、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇し、全用途平均及び商業地は上昇幅拡大、住宅地は前年と同水準の上昇幅となった。
今回特徴的であったのは、住宅地及び商業地ともに上昇幅の拡大を続ける東京圏と大阪圏に対し、いずれの用途でも上昇幅が縮小した名古屋圏と地方四市の対比であろう(なお、地方四市でも札幌、仙台、福岡の3市が上昇幅を縮小させたのに対し駅南口の大規模な再開発が進行する広島市だけは住宅地・商業地ともに上昇幅が拡大している)。
都市部において生じた圏域差がより顕著になる様子が窺えるため、今後、地方圏が調整局面を迎える端緒とも捉え得る。
今回の地価公示には影響していないものの、2月末から始まった米国のイラン侵攻とその行方によっては当面原油高が続くことが想定される。インフレが急速に進み賃金の上昇が追いつかない状況となれば消費の停滞を招き不動産需要にも直接的な影響が生じるため地価を押し下げる懸念がある。
同時に大手鉄鋼メーカーが軒並み5月出荷分から主要製品の値上げを表明しており建築費のさらなる高騰も不可避な情勢にある。
こうした事情は金利上昇基調と相俟って全体としては土地価格への下方圧力になり得る要因である一方、供給者側において事業地の選択と集中が働く結果、大都市圏の稀少エリアではさらなる地価高騰につながり二極化が拡大することも大いに予想される。
本年の地価公示では、三大都市圏、地方圏ともに全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇した。東京圏・大阪圏では上昇幅も拡大し、全体として地価の上昇基調が続いている。
また、東日本不動産流通機構の先月(2月度)の統計によると、首都圏中古マンション、中古戸建ともに成約件数は16ヶ月連続で増加し、中古マンションについては70ヶ月連続で成約m2単価が上昇しているなど、堅調な住宅需要が続いている。
このような地価の底堅い推移は、我が国経済を持続的な成長軌道に乗せる観点からも重要であると考えられ、そうした中、当協会としても新築住宅と既存住宅が互いに補完し合いながら厚みのある住宅流通市場を形成する住宅循環システムの構築への貢献に引続き取り組んでまいりたい。
今回発表された地価公示では、全国平均は、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも5年連続で上昇し、全用途平均・商業地は上昇幅が拡大した。地域や用途により差があるものの、全体として上昇基調が続いている。一方で、昨今の中東情勢をはじめとして混迷する国際情勢やそれに伴う更なる諸物価高騰の懸念等によって、経済の先行きは不透明な状況にあり、今後の地価動向についても十分に注視していく必要がある。
加えて、環境問題、自然災害対策、少子高齢化・人口減少問題など、我が国が抱える社会的課題は山積しており、いずれも待ったなしの状況である。そうした中、日本を強く、豊かにし、将来世代への責任を果たしていくためには、政官民の総力を挙げて、社会課題の解決にも資する「積極投資」を拡大するとともに、暮らしの安全と安心の確保、物価上昇に負けない賃金上昇、消費マインドの改善等を通じて、「強い経済」を構築していく必要がある。
不動産業界はその重要な一翼を担っており、まちづくりにおけるDX・GXの加速やイノベーションの創出、都市の国際競争力強化や防災性能の向上、多様化する住宅ニーズに対応した良質な住宅ストックの形成と豊かな住生活の実現、不動産市場の活性化を進めていくことが重要だ。
今般公表された地価公示では、全国の全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇し、全用途平均・商業地は上昇率が拡大しました。三大都市圏、地方圏ともに上昇傾向が継続し、景気回復の影響が全国的な地価上昇に波及しています。
首都圏のオフィス空室率は低水準で賃料は上昇しており、継続する住宅マーケットの好調さや、活況なインバウンド等から商業・ホテルの需要が堅調であり、地価上昇に反映されました。
本年3月19日に開業する「BASEGATE横浜関内」が位置する横浜関内エリアや、本年竣工予定の「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」が所在する東京駅周辺では、大規模な再開発事業が進展しており地価上昇がみられます。大規模再開発事業は日本の国際競争力の強化に寄与し、経済成長を牽引する役割を果たしており、我が国の未来を担うものとして一層その必要性・重要性を高めています。
地方圏では、引き続き、半導体関連企業の進出が進む地域や、物流施設需要が高まる地域で地価が上昇しています。当社においては熊本でサイエンスパークの検討を進めており、各地域の特色を活かした産業創造に取り組み、新しい時代の新しい形での地方創生に貢献してまいります。
米国の通商政策および外交安全保障政策の影響と、地政学リスクのより一層の高まりが懸念されますが、日本経済は堅調な個人消費と設備投資を中心とした内需主導に、緩やかな回復が続いています。継続する賃上げによる賃金・物価の好循環を生み、インフレによる物価高といった課題を乗り越え、成長型経済の軌道に乗るかという「時代の転換点」にあります。
これからは付加価値が正当に評価される時代であり、当社グループとしては、このような転換点を大きなチャンスととらえ、付加価値創造において圧倒的な力を発揮していきたいと考えます。不動産デベロッパーの枠を超えた「産業デベロッパー」として、日本の国際競争力の強化・新産業の創造に貢献してまいります。
令和8年の地価公示では、全国平均において全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇した。上昇幅には地域ごとの差異が見られるものの、全国の地価は総じて上昇基調を維持していることが改めて示された。
住宅需要は底堅い。住宅を中心とした大規模複合開発となる「ザ・パークハウス 赤羽台タワー&レジデンス」は本年5月に販売開始予定だが、すでに数多くの引き合いがある。交通利便性の高い好立地に人気が集まるなかでも、特に生活インフラや子育て環境の充実につながる取り組みは、幅広い世代から支持を得られている。
商業地においては、インバウンドの回復・拡大が市場を牽引する。2025年の訪日外国人数は初めて4,000万人を突破し、訪日客の旅行消費額はおよそ9.5兆円と過去最高を記録。観光地では店舗・宿泊施設を中心とした需要が顕著に拡大している。
本年3月17日に開業の商業・宿泊施設「軽井沢 T-SITE」においても、信州エリアへの国内外からの観光需要拡大を見据え、地域社会との連携および活性化に取り組んでいく。
また、主要都市の好立地オフィスでは、空室率低下と賃料上昇が引き続き進行している。丸の内エリアで今年7月に竣工予定の「大手町ゲートビルディング」や、名古屋市で今年6月に開業予定の「ザ・ランドマーク名古屋栄」は、いずれもリースアップ目前だ。オフィス不要論はもはや過去の議論であり、多くの企業がイノベーションの創出や人材獲得のため、オフィスを人的資本投資の場として再評価している。また、不動産デベロッパーとして、オフィスは日本経済を支えるインフラだと考えれば、企業価値や生産性の向上につながる付加価値を創出し、都市全体の競争力や魅力をいかに高めていくかが重要なテーマになる。
金利上昇や国際情勢の不確実性、建設コストの上昇などはあるが、インフレ環境においては本質的な価値を有する都市や不動産が高く評価されるとも言える。当社としては丸の内をはじめ国内外プライムエリアで事業機会を得ている強みに甘んじることなく、ハード・ソフトの両面からまちの持続的な価値創出に取り組んでいく。
国内経済は、インフレの拡大や政策金利の引き上げに加え、中東情勢の悪化により、先行きの不透明感が増す一方で、国内景気は賃金上昇にともない、内需主導で緩やかな回復基調を維持している。
こうした中、商業地では、東京のオフィスビルにおいて、企業が優秀な人材を確保するために働きやすいオフィス環境の整備を目的とした移転や増床が進み、それに伴う空室率の低下と賃料の上昇が続いている。また、ホテルや商業店舗もインバウンド需要が一段と拡大している。
住宅地では、新築マンションの建築費および土地代の上昇に伴い、販売価格の上昇が顕著になっているものの、交通や生活利便性の高い地域を中心に一定の需要が保たれている。一方、新築マンションの供給戸数は年々減少しており、中古取引や既存住宅のリフォームに対する需要が拡大している。
今年の地価公示では全国の全用途平均が5年連続で上昇した。東京や大阪など主要都市でオフィスやマンション、店舗、ホテルなどの需要が堅調であること、インバウンドの増加している観光地などで土地需要が旺盛であることなどが背景にある。今後も国際情勢の先行き不透明感、資材価格や工事金の高騰、金利上昇などのリスク要因の動向を注視していく必要があるが、足元の不動産市況は好調が続いている。
住宅地、商業地とも5年連続で上昇した。特に再開発事業が進展している地域では利便性の向上で来街者が増え、地価上昇が継続している傾向にある。当社は渋谷駅周辺の半径約2・5キロメートルを『広域渋谷圏』と定義しており、長期持続的にエリア全体の価値を高める「広域渋谷圏構想」を進め、街の多様性を活かしながらハードとソフトを融合させた街づくりを進めている。この地で東急グループと連携して進めてきた『100年に一度』の再開発も進展、街全体の回遊性も向上した。再開発の結果、渋谷駅周辺の大型のオフィス床面積の少なさも解消し、IT・コンテンツ企業などを中心とする渋谷のオフィス需要は旺盛なこともあり、他の都内の都市と比べ空室率も低く、賃料も上昇している。そして、渋谷の利便性や魅力向上で京王電鉄神泉駅近くの住宅地の地価の上昇が続くなど、再開発事業を進めた成果が出ている。
広域渋谷圏では今後、スタートアップ育成、都市観光など、東京の国際的な国際競争力強化の一助となるべく、「ソフト」面での街の魅力付けに注力する。一例としては渋谷で新たなビジネス、技術の創出を目指し職住近接型の起業家向け「コミュニティレジデンス」事業の展開の準備を進めているほか、昨年11月に開かれた「渋谷阿波踊り」を支援するなど、ファッション、アート、音楽、ビジネスなど、新たなムーブメントが次々と生まれていく渋谷をさらに盛り上げる新しい文化育成に取り組んでいる。また当社は『環境経営』を掲げており、広域渋谷圏では環境負荷を軽減できる再生建築「COERU」シリーズを開発しているほか、ビルの緑化などで広域渋谷圏全体に「エコロジカルネットワーク」形成も図っている。
マンションは引き続き大都市中心部での需要が高く、当社は分譲マンションでは東京で「ブランズタワー芝浦」「ブランズタワー横浜北仲」、大阪では「ブランズタワー大阪梅田」名古屋では「ブランズ星が丘レジデンス」を開発している。また分譲マンションでは快眠を追求した「ブランズ巣鴨三丁目」、賃貸マンションではペット飼育可能な「コンフォリア・リヴ八坂富士見」など特徴ある物件も手掛けている。
地方では別荘やコンドミニアム、移住などの需要が高い地域、そして好調なe-コマース市場により大型の物流施設用地などの需要が高い。当社ではインバウンド需要の高い北海道・ニセコ、長野県・蓼科などでリゾート施設を展開しているほか、埼玉県では「ロジック蓮田」、大阪府では「ロジック南茨木」を開発するなど物流需要の獲得にも注力している。
中長期的な不動産市場については、少子高齢化による単身世帯の増加や空き家問題、「働き方改革」によるオフィス環境の変化等、不動産市場を取り巻く環境の変化はあるもののしばらく安定して推移するだろう。国内外で環境への意識が高まるなか、不動産環境対応を進めていくことで、今後の不動産市場で差別化を図りたい。
今回の地価公示は、全国平均で全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇し、上昇幅が拡大した。高市政権の高い支持率とも相まって、国内株式市場は市場最高値を更新する好調さで推移してきた。但し、日中関係や米国の通商政策などの、今後全世界経済に影響をもたらしかねない不確実性は潜在している。加えて、米国のイラン侵攻のような地政学リスクは今後も発生することが想定される。経済市場の不確実性と地政学リスクから来る不安感により、株式市場が影響を受けるなどの不確定な要素を抱えている。
一方、国内不動産市場は、物価上昇により資材費や労務費を含む建築費は依然として高止まりしていることから、各事業セクターは引き続き厳しい事業環境にある。
分譲マンション市場に関しては、郊外の一部で売れ行きの鈍化傾向が見られるが、都心部・準都心部の売れ行きが引き続き順調であり、トータルでは好調に推移している。価格高騰と住宅ローン金利の上昇がみられるものの、お客様の購入意欲は引き続き高いことから需要は堅調。但し、富裕層需要の高い、都心の高額マーケットにおいては、株式市場の影響を受けやすい面もあるため注視が必要。また、不動産協会からの短期転売対策に対しては当社も対策を実施していくが、短期転売目的以外のお客様の需要に大きな影響を与えるとも考えにくいことから、業績への影響も極めて軽微と考えている。用地取得の難易度は高まっているが、当社は計画を大幅に上回る用地ストックを積み増すことができており、事業に支障を来す懸念はない。
オフィス市場に関しては、2025年に東京での大型物件の新規供給が複数集中したが、需要が供給を上回る結果となった。今後、建築費上昇による開発の中断や見直しとなる物件の増加により新規供給が先送りされていく。企業業績の拡大を背景に、人員増に伴うオフィス移転・拡張や、分室開設など旺盛な需要がある一方で、新たに供給可能な物件は払底している。当社主力ブランドのPMOでも築2年以上では9割以上の稼働率が継続しており、賃料も新規成約および改定においても上昇傾向が顕著である。収益不動産の用地取得は住宅同様に難易度が高まっているがオフィス・物流・商業施設の用地も順調に取得できており、今後の事業性に問題はない。
昨年9月にグランドオープンを迎えた「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」も開業から半年が経過。オフィス区画は契約満床となり、段階的にテナント各社の入居が予定されている。出社回帰によるオフィスニーズを着実に捉え、空・海・緑の自然環境に恵まれた開放感ある立地とワンフロア約1,500坪の共用フロアを含む共用部を活用した新しいオフィス提案が評価された。ホテル区画、商業区画も順調なスタートをきっており、周辺の方々の認知が高まるにつれて、まちのコミュニティハブとしての活用も増えている。
ホテル市場に関しては、引き続き非常に高い水準でインバウンド顧客の利用が続いている。日中問題のニュース報道後も、当社ホテルは外国人宿泊者が分散できていることから前年を上回り好調に推移。今後の用地も順調に取得できており、既存のホテルに加えて、新たなタイプのホテル開発も進行している。
当社グループは、不動産開発や関連サービスの提供を通じて、お客様一人ひとりの「Life」や「Time」に寄り添うことを大切にしてきている。野村不動産グループ2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developer へ -幸せと豊かさを最大化するグループへ-」の実現を目指し、グループ全体で、新たな付加価値を創造し、お客様に多様な付加価値を備えた不動産関連商品・サービスをこれからも提供していく。
今回発表された地価公示は、地域や用途によって差はあるものの、全国全用途平均で5年連続上昇、上昇幅も拡大した。オフィス賃料水準の上昇に加え、国内外の観光客の増加によりホテルや店舗需要が好調であったこと、堅調な分譲マンション需要の継続、さらには再開発の進展により当該エリアの利便性やにぎわい向上への期待が高まっていることが背景にあると考えられる。
オフィスマーケットは、都心部を中心に、人材確保を目的とした好立地・ハイグレードオフィスへの移転進展の顕在化やリフレッシュスペースなどの職場環境改善に対する意識の向上により、空室率の低下とともに賃料水準も上昇傾向にある。特にワーカーの心身の健康に着目したウェルビーイングやサステナビリティに配慮した高付加価値のオフィスビルに対する評価は一層高まっており、立地や機能による選別がより明確になっている。当社が本社を構え、複数の再開発事業を権利者の皆さまと推進する東京駅の東側、八重洲・日本橋・京橋(YNK)エリアでは「TOFROM YAESU TOWER」が先月竣工した。本物件ではオフィスフロアのコンセプトを「ウェルビーイング」とし、食を通じてワーカーの生活をサポートする食堂や、41階の高層からの眺望を楽しみながら温泉ミストによる湯治体験ができる「喫泉室(きっせんしつ)」など多様なオフィスサポート施設を実装する。また、リニア中央新幹線の整備や複数の再開発が進む品川駅エリアでは、屋外バルコニーや入居者間の交流を促進する共用ラウンジなどを備えた次世代型オフィス「Ave.Takanawa」が今月開業した。いずれも立地特性に加えてこれらの付加価値施策を多くの企業から評価されている。都心部だけでなく地方大都市圏においてもオフィスマーケットは好調であり、中規模オフィスビル「T-PLUS」シリーズを博多駅と名古屋駅近くで開発中である。
ホテルや商業施設については国内外の観光客の増加などにより、観光地を中心にホテルの稼働率や飲食店舗の売上が増加するなど、今後も拡大が期待できる。当社では、2025年に愛犬同伴型ラグジュアリーリゾートホテル「レジーナリゾート」シリーズとして10施設目となる「レジーナリゾート由布院」を開業した。
また、韓国をはじめとしたアジア圏の観光客を中心としたインバウンド需要が旺盛な大分県別府市では、2027年に日本の温泉文化を体験できる宿泊施設である「kokonoyu 別府」の開業を予定している。
物流施設は、ECの拡大や人手不足などを背景とした物流拠点網の再整備に伴う需要が依然として底堅く、今後、更なる需要の拡大が期待できる。当社は今後、大都市に近接する千葉県船橋市や大阪市、福岡県久山町で冷凍・冷蔵物流施設、北九州市では危険物専用倉庫を併設した物流施設開発に着手するなど、さまざまなニーズに対応した競争力の高い物流施設を提供していく。
分譲マンションマーケットは、建築費の上昇や住宅ローン金利の動向など懸念はあるものの、都心やその周縁部の利便性や住環境の優れた地区における良質な住宅への需要は堅調であり、特に都心部においては価格の上昇基調が継続している。当社は、マーケットにおける分譲マンションの供給減に伴い実需層の戸建て取得ニーズも高まっていることを踏まえ、都心型戸建て事業に取り組んでいくことを決定した。
金利については、当社が想定していた水準、上昇スピードを超えて上昇した。日銀の金融政策による動向を引き続き注視すべき状況にある。その他、地政学的リスクや為替変動の影響、国内外の物価動向や人手不足問題等、今後の景気への不安要素もあるが、経済活動がさらに活発化し、原材料上昇分の製品価格転嫁や賃金の上昇などがさらに進むことで、用途を問わず利便性の高いエリアを中心に、地価の上昇基調が継続するものと考える。
当社としては、いつの時代もマーケットを重視し、お客さまのニーズを的確に捉え、ご満足いただける商品やサービスの提供を通じて、人々が安全・安心・快適に過ごせるまちづくりを推進していく。
商業地の地価は、全国平均、三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)平均、地方圏平均いずれにおいても5年連続で上昇した。各種再開発事業の進展に加え、国内外からの観光需要が高いエリアにおける店舗・ホテル需要の高まりが要因と考えられる。
東京都心部では、23区全体の地価は5年連続で上昇した。オフィス市場においては、従業員の出社回帰を促すための環境改善や、人手不足に伴う人材獲得競争の強化、堅調な企業業績に伴う人員増加や事業拡大などを背景に、プライムオフィスの需要が堅調に推移している。2025年10月に第2期竣工を迎えた東京ワールドゲート赤坂の「赤坂トラストタワー」では、先進的なワークプレイス環境を求める企業からの引き合いが高まり、成約率は97%超である。オープンで創造性を高めるレイアウトや、コミュニケーションを促す空間設計が評価され、働き方改革や生産性向上を目的とした移転も見られる。今後については、当社物件に限らず2026年竣工予定物件の内定率も高まっており、空室率は低水準を維持する見通しだ。増床ニーズを含め、オフィス需要は引き続き拡大基調が続くと見込まれ、市場全体としては堅調な成長が期待される。
一方、地方圏では、年間の訪日外国人観光客数および訪日外国人消費額の過去最高を更新、国内の旅行消費額の増加などを背景に、観光地周辺での商業地価の上昇基調が強まっている。特に長野県軽井沢町や白馬村、岐阜県高山市などの都市はインバウンド需要がけん引し地価が上昇した。2026年のインバウンド需要は、一部地域では中国の渡航自粛が影響する可能性はあるものの、欧米や東南アジア諸国など多様な地域からの訪日需要は堅調であり、年間を通じて拡大基調が続くと見込まれる。観光産業は地価上昇の要因となるとともに、日本の成長産業として期待が高まっている。
また、2026年には第5次観光立国推進基本計画の策定が予定されており、滞在期間の長期化や観光産業の高付加価値化が求められる見通しである。一方で、建築費高騰や金利上昇、人手不足などの構造的課題による老朽化した施設の更新停滞など産業の持続的成長を脅かす課題が顕在化している。
加えて、オーバーツーリズムへの対応は、喫緊の社会課題であり、宿泊税を二次交通の整備や人手不足への対応など、産業の持続的成長につながる施策に活用するなど中長期的な視点に立った戦略を明確に立案すべきである。
2026年は当社にとってもホテル事業発足から50周年であり、これまで培ってきた実績とノウハウを最大限に活かし、日本各地の魅力あふれる都市やリゾート地における開発を通じて地方創生に貢献していきたい。