(公社)首都圏不動産公正取引協議会は19日、「SNSを利用した不動産広告の実態調査」結果を発表した。
(1)「表示規約第8条で規定する必要な表示事項(物件概要)の充足状況」、(2)「表示規約第18条第2項で規定する合理的根拠なく使用を禁止している特定用語を使用した物件種別の状況」について調査を実施。それぞれ実態を把握することにより、SNSを利用した不動産広告表示の適正化および表示規約の適用方を研究していく。
(1)の調査時期は、2025年6月25日~7月30日。調査対象のSNS(インスタグラム)において、「賃貸」「部屋探し」「土地情報」「不動産」「マンション情報」「新築建売」の6つのキーワードで検索した広告のうち、上位表示された100件・計600件を抽出。うち、注文住宅の広告やマンションブランドの紹介等を除外した436広告が対象。
436件のうち、必要な表示事項を漏れなく表示していた物件は1件もなし。「必要な表示事項」のうち2つの事項について見てみると、「取引態様」は377件(86.5%)に表示が認められなかった。取引態様は、宅地建物取引業法第34条においても明示することが義務付けられており、「同法にも違反する恐れがあることに留意してほしい」と注意を促した。
「賃料」や「価格」については、賃貸物件283件のうち160件(56.5%)が、売買物件153件のうち68件(44.4%)が表示していなかった。これについて、「物件を選択するにあたり、非常に重要な情報の一つを表示していないことは、一般消費者が安心して物件を選択することへの大きな障害となる」としている。
(2)の調査は、25年8月25日~9月30日に実施。調査対象のSNS(インスタグラム)において、「最強」「破格」「抜群」「最高」「格安」「希少」の特定用語を含んだ文言(「最強物件」「格安物件」等)で検索した広告のうち、上位表示された300件・計1,800件を抽出。うち、物件の内容や取引条件等に係る用語の使用ではなかった29件を除外した1,771件が対象。
物件種別は、1,771件のうち1,622件(91.6%)が賃貸マンション・アパートという結果に。6つの用語のうち、「希少」を除く5つの用語がいずれも賃貸マンション・アパートで使用され、9割以上を占めた。これらの特定用語は、単体で使われているケースは少なく、多くは「コスパ最強」「アクセス抜群」「日当たり最高」など、他の文言と一体で使用されている。
また、SNS特有の「#(ハッシュタグ)」を使った表示(「#最強」「#破格」等)も認められたが、「これらも広告した物件に係る表示となることを認識する必要がある」としている。
これらの結果を受け、同協議会は「ポータルサイトもSNSもインターネットを介して行なわれる不動産広告であり、ルールは同じ。不動産事業者には『おとり広告だけが違反である』ということではないことを肝に銘じてほしい」とまとめた。
今回の調査結果は、同協議会を含む全国9地区の不動産公正取引協議会で共有する。