JFEスチール(株)(以下、JFE)は、日本GLP(株)(以下、GLP)とJFEスチール東日本製鉄所京浜地区(川崎市川崎区)の高炉等製鉄設備跡地(約18ha)の売買契約を、5日に締結。同日、両社およびJFEホールディングス(株)、川崎市の4者で「高度物流拠点の形成に向けた連携協定」を締結した。JFEグループと川崎市が進める扇島地区の土地利用構想における主要プロジェクトとして、GLPが向こう5年間で11棟の冷凍冷蔵物流施設を段階的に建設。首都圏の食品流通を支える次世代コールドチェーン基盤を整備する。
開発地は、扇島地区の大規模土地利用構想「OHGISHIMA2050」(約222ha)の「先導エリア」内の北東部分で、高炉に隣接した原料ヤード跡地。JFEグループと川崎市は、高度物流拠点の開発計画について2年前より協議を進め、1年前に物流大手のGLPに参画を打診。先導エリアではこのほか、港湾物流施設や液化水素受入・供給基地、データセンター等が整備される。川崎市は、国土交通省や首都高速道路(株)とともに、一般道路の整備や首都高湾岸線出入口、公共ふ頭等の整備を推進する。
高度物流拠点については、GLPが「ひらく」「つなぐ」「わかちあう」をテーマに、新たなビジネス機会の創出や地域共生、BCP、複数企業連携といった新たな価値を生み出す、まちづくり型の物流施設ブランド「ALFALINK(アルファリンク)」第6弾で、初の冷凍冷蔵物流施設となる「ALFALINK川崎扇島プロジェクト」を推進する。自動運転トラックや倉庫の自動化の導入といった物流DX、水素ステーション&水素バスによるモーダルシフトの導入促進を図るほか、地域住民が親しめる空間整備も行なう。
冷凍冷蔵物流施設11棟と共用棟を整備。延床面積は約37万平方メートル。保管能力は約55万t、投資総額約3,000億円という大規模プロジェクト。陸海空のアクセスの良さと、国内有数の冷凍冷蔵倉庫集積地である東扇島地区に隣接する地の利を生かし、同地区との連携・補完、大規模集積による再保管への柔軟な対応や共同配送の促進などの効率化を図る。
既存施設の解体とインフラ整備が終わる28年6月ごろから順次着工し、30年7月より順次竣工、稼働させる。BTS型を軸にマルチテナント型物件も検討。需給バランスに合わせ、5年間かけ順次稼働させていく。入居企業同士の共創に加え、冷凍冷蔵倉庫業界や食品業界とのアライアンスにより、個社最適を超えたコールドチェーンの持続的発展を目指す共創プラットフォームを構築する。
25日の説明会で挨拶した川崎市長の福田紀彦氏は「扇島の大規模土地利用転換は、カーボンニュートラルの実現と次代の柱となる産業の創出に向けた100年に1度のビッグプロジェクト。25年度の液化水素受け入れ・供給基地の着工に続き、高度物流拠点の建設により、今後の土地利用転換に大きな弾みがつく。日本GLPやJFEホールディングス、入居企業の皆様との連携により、川崎臨海部の持続的発展、社会課題の解決、日本の経済成長を牽引する新たな価値の創出に取り組んでいく」と抱負を述べた。
JFEホールディングス専務執行役員の岩山眞士氏は「半世紀前、海の上に製鉄所をつくった。今その土地に次の時代の産業基盤をつくる。高度物流ゾーンの整備により、扇島が初めて公道につながり、土地売却による資金を基盤整備に使うことで土地利用転換を具体的に動かす起点となる。エネルギー・デジタル・物流の次世代インフラが揃うことで、企業誘致とGX産業集積も後押しされる」とした。
また、日本GLP代表取締役社長の帖佐義之氏は「扇島は、冷凍冷蔵物流施設が最も価値を生む物流最適地。冷食需要の拡大で冷凍冷蔵倉庫需要がひっ迫している。食料安全保障の重要性も増しており、大規模で高機能なコールドチェーン基盤が求められている。このプロジェクトは、日本の食を守る、食の安定供給を支えるコールドチェーン基盤の強靭化に資する意義深いもの」と抱負を述べた。また、同プロジェクトを含め冷凍冷蔵倉庫の開発に、向こう5年間で約5,000億円を投資し、冷凍冷蔵面積を約106万平方メートル(31年以降)まで拡大する方針を明らかにした。