神戸市は、所有者不明の空き家・空き地対策に向け「空き家対策特命チーム」を設置。総合的な空き家・空き地対策に取り組んでいる。
同市は、空家等対策の推進に関する特別措置法、および神戸市空家空地対策の推進に関する条例に基づき、2016年度から空き家・空き地対策を最優先課題として認識。中でも、市民から相談を受けて対応した空き家・空き地約1,800件のうち、所有者不明が約10%に上ることを問題視していた。
そうした中、23年4月の民法改正により「所有者不明土地建物管理制度」が創設。同年12月の空家等対策の推進に関する特別措置法の改正を経て、市町村長に各財産管理人の選任申し立ての権限が付与された。同制度を積極的に活用することによって、周辺住民の生活環境に悪影響を及ぼしている所有者不明空き家・空き地の解消を図るため、同特命チームを設置した。専門チームの設置は全国初。同制度の運用に精通している弁護士2名を特別職非常勤嘱託職員とし、担当職員ら7名で構成される。
財産管理人の選任の申し立てを行ない、裁判所が財産管理人(主に弁護士)を選任。申立人は「予納金」(管理人報酬や管理費用に充てることを目的に事前に納める費用)を支払い、財産管理人が管理もしくは売却を実施する。売却額から管理費を支出できる場合は予納金を市に全額返還し、売却代金の残余は財産管理人が法務局へ供託する仕組み。26年度9月末までに計158件の申し立てを実施しており、約70件の売却が完了している。
しかし、選任申し立てを行なう空き家・空き地は、財産的価値に乏しいものが多く、予納金を回収できるほどの金額で売却できる事例はまれ。低廉な金額でしか売却できなかった場合は、予納金を回収できず、結果的に財産管理制度を活用すればするほど市町村の財政負担は大きくなる。そのため、ほとんどの市町村では実施されておらず、活用している自治体でも数件程度にとどまっているという。同市は、同制度の活用を全国的に広げていくため、予納金の財政負担などの課題を軽減する方策を国に求めていく。