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日本橋に期間限定の新名所「三井越後屋ステーション」誕生

平成に蘇った(?)江戸の流行発信地

 東京は日本橋、三越本店の斜前にある、三井第三別館1階に“お江戸日本橋”の象徴的存在だった呉服商「三井越後屋呉服店」が出現した。  しっくいの壁、瓦屋根、紺地に染め抜きの「越後屋」の屋号。同じく紺地ののれんには「三井越後屋ステーション」の文字が。“江戸の粋”な雰囲気を感じつつ、一体何が起こっているのか、興味津々で足を踏み入れてみると・・・

江戸時代の店舗外観を再現。現在の法規に觝触することなく表現するのには、かなり苦労があったとか
「にほんばし案内処」。初めて訪れた人にとっては不可欠な情報収集の場
「日本橋越後屋スタジオ」は、イベント会場としても活躍する予定
休憩処では、テイクアウトもイートインも可能
ここでしか食べられないこだわりのメニュー
老舗の代表的商品を一気に見られるのも大きな魅力

 入ってまず右手にある「にほんばし案内処」には、日本橋の各種情報に精通したコンシェルジュが常駐し、「日本橋」に関するコト・モノ、各種情報を得ることができる。
 左手には、TOKYO FMの協力で運営されるサテライトスタジオ「日本橋越後屋スタジオ」が。ラジオのサテライトスタジオであると同時に、毎週木曜日には“越後屋寄席”、また“日本橋建築めぐり”“老舗ミニ講座”などのカルチャープログラムが開講されるイベント会場としても活躍する。

 そして、奥にあるのは休憩処「越後屋カフェ」と「日本橋屋台」。江戸時代、日本橋を拠点とする五街道で最も盛んに流通していたのが、米と大豆だったことから、カフェのメイン食材には、こだわりの米と大豆・豆乳が使用されている。
 全国米食味分析コンクールで金賞を連続受賞した『富士山麓の幻』でつくったこだわりの塩むすびは絶品!その他、ランチタイム限定の「ほかほか湯豆腐」や「とろり豆乳プリン」など、他所ではなかなかお目にかかれないメニューがずらり。全メニュー制覇の野望がむらむらと…。
 一方、屋台の方はというと、手漉き和紙の老舗「はいばら」の江戸千代紙カレンダーやレターセット、「榮太郎総本舗」の江戸菓子、「伊勢重」の牛佃煮など、いずれもこの地で、伝統を守り続けてきた老舗の名品が出品されている。
 また、月曜日から金曜日には、老舗料亭のお弁当を日替わりで限定販売する。テイクアウトもカフェでの飲食も可能とのこと。個数限定なので狙いをつけてお早めに。

 また、文化的色彩を添えているのが、常設展示の「其角堂コレクション」だ。江戸モノコレクター・平野英夫氏所蔵のコレクションをテーマごとにギャラリー型式で展示している。第1期は『江戸の祭礼』をテーマに、江戸時代に製作された山車の雛形、雛鎧、祭礼図など。その他にも煙草入れやお守り入れなどの“細工もの”も間近で見ることができる。12月からの第2期テーマは『武家(サムライ)の火消しダンディズム』を予定している。

 三井不動産が総工費9,000万円をかけたこの施設は、6ヵ月限定。日本橋の魅力を伝える拠点になればとのトライアルだという。「日本橋地区の活性化に向けた取り組みの一環として試験的に行ないました。建て替えの構想もあるため、今後、恒久的施設としてどのような形にしていくか、この結果から検討していきたい」(同社日本橋街づくり推進部長・中川俊広氏)。
 “日本橋ファン”を一人でも増やしたいという、プロジェクトの引き金となるか。次にはどんな企画が飛び出すのか、街を歩く楽しみがまたひとつ。(緒)


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