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商業施設、今のトレンドは「時間消費型」

「ららぽーと新三郷」が9月17日にオープン

 9月17日にオープンした『ららぽーと新三郷』(埼玉県三郷市)。三井不動産(株)が手掛ける10施設目の三井ショッピングパーク「ららぽーと」である。  今回は9月14日に行なわれた、『ららぽーと新三郷』の記者説明会、内覧会の様子をレポートする。

JR武蔵野線「新三郷」駅からペデストリアンデッキを歩き、『ららぽーと新三郷』へ
開放感溢れる館内の様子
日本国内での郊外店初出店となる「H&M」
シニア層向けに大手百貨店のサテライト店舗「京王百貨店」
9月17日にオープンした「よしもと遊べる水族館」のオープニングセレモニーの様子。前列左より、(株)よしもとデベロップメンツ代表取締役社長の比企啓之氏、吉本興業(株)代表取締役社長の大﨑 洋氏、ららぽーとマネジメント(株)代表取締役社長の安藤 正氏
無料循環バスお披露目式でのテープカット。左より、コストコホールセールジャパン(株)代表取締役のケン・テリオ氏、三井不動産(株)常務取締役商業施設本部長の飯沼善章氏、IKEAジャパン(株)代表取締役社長のラース・ペーンテルソン氏

幅広い年代にウケる施設

 

 『ららぽーと新三郷』は、JR武蔵野線「新三郷」駅直結、地上2階建(一部4階建)、敷地面積約8万5,200平方メートル、延床面積14万2,500平方メートル。
 三井不動産(株)をはじめとする民間事業者6社による、武蔵野操車場跡地約51.1haを活用した大規模複合開発「新三郷ららシティ」のショッピングゾーンに位置する。

 施設全体のデザインコンセプトは、「COUNTRY VILLA(カントリー ヴィラ)」。JR「新三郷」駅に歩行者デッキで直結した屋外型モールとトップライトに自然光を取り入れた屋内型モールにて構成された「ハイブリッドモール」、その2つの異なるモール空間に挟まれた「スカイガーデン」が象徴的な施設だ。

 同施設のターゲットは20~30代を中心に、若年層からシニア層までと幅広い。また、豊かなコミュニケーションとライフスタイルが実現できる場所「ライフ・ソリューションコミュニティ」をテーマに掲げ、MD(マーチャン・ダイジング)構成を行なった、とのこと。


178の物販、飲食店舗が集結 

 幅広い年代をターゲットとしたため、テナントは老若男女が楽しめる特徴ある構成となっている。
 まず、若年層向けに、手軽に買え近年爆発的な人気を誇るファストファッション店舗「H&M」をはじめ「ZARA」、「ユニクロ」などのアパレルが、ファミリー層向けには子どもと大人が一緒に楽しめるアミューズメント施設「トーマスタウン」、「ラウンドワンスタジアム」、「よしもと遊べる水族館」が出店。ちなみに「よしもと遊べる水族館」は、一度訪れて終わるのではなく、魚と実際に触れることができ何度来ても楽しみが見つけられる水族館だ。シニア層向けには、安心して買い物のできる大手百貨店の「京王百貨店」のサテライト店舗が出店。また、ご当地グルメを集めた飲食店舗なども充実させた。

 さらに環境にも配慮し、発電床、風力発電、電気自動車充電ステーションを集約した「エコガーデン」を設置。その他、ミスト冷却設備や天窓(トップライト、ハイサイトライト)も設けている。

 内覧会同日は、「新三郷ららシティ」のショッピングゾーンにすでに開業している世界的ホームファニッシングカンパニー「IKEA 新三郷店」、会員制大型卸売り店「コストコ 新三郷倉庫店」とともに、ショッピングゾーン内を走る無料循環バスのお披露目式も行なわれた。同バスの運行により、ショッピングゾーンの回遊性の向上を高めていくとしている。


商業施設の進化系 
 
 同施設の店舗構成を見ると、話題性のある店舗構成が目立つ一方で、『ららぽーと新三郷』には、買い物を目的とした施設のみではなく、同施設に滞在することを楽しむ店舗や仕掛けが多い。

 記者説明会の席上、常務取締役商業施設本部長の飯沼善章氏は「単にモノを買うだけの施設ではなく、お客様に施設に滞在する時間を楽しんでもらえるような時間消費型の施設にしていきたい」と語っていたが、買い物特化型ではなく、施設に滞在することを楽しむ「時間消費型」が、複合商業施設の今のトレンドなのかもしれない。(tam)


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