タカラレーベンが注文住宅商品「LIBO ORDER HOUSE」を新発売
新築分譲マンションでおなじみのタカラレーベン(東京都新宿区、代表取締役社長 村山 義男氏)が、かねてより展開していた分譲住宅事業に加え、注文住宅事業にも参入を果たした。 これに合わせて、注文住宅商品「LIBO ORDER HOUSE」のモデルハウスを、立川市の「ハウジングワールド立川」(東京都立川市)に建設、一般公開をスタートさせた。 早速見学してきたが、この家を一言でいうと、「ハイパフォーマンス、ローコスト」。省エネ配慮、健康志向、快適性追求が図られた住まいであった。さっそくレポートしていこう。
発泡式の断熱材を採用、加えて乾燥材も施工
木造在来工法の「LIBO ORDER HOUSE」は注文住宅なので、顧客の選択により設備等も変わってくるが、ここでは同社が推奨する「標準プラン」をもとに説明していこう。
まず高断熱・高気密の確保。断熱材は、アイシネン社の発泡断熱材を使用。この断熱材は発泡性で、現場にて吹きつけ、発泡させて施工するもの。隙間なく施工することにより、素材に水蒸気を吸着させるリスクを低減させ、結果、カビの発生や劣化を予防する。さらに、熱のみならず音の伝わりも防止する効果があるという。これを床、壁、小屋裏にまで施工している。さらに壁には壁内結露防止のため「ウルトラドライシート」という乾燥剤を施工するのだ。
併せてペアガラスをすべての窓ガラスで採用することで、結露の発生を極限まで防止するという。「結露は毎日の手入れも大変ですし、カビの発生源にもなります。この住まいでは結露をできる限り発生させない工夫をしていますから、非常に健康的な生活ができますよ」(戸建事業部建築営業課・後藤小百合氏)。
そして冷暖房は全館空調システムを採用している。全館空調システムは吹出口がすっきりするといった見た目の面や、家中の温度が一定に保たれるといった面で、リビング階段・吹抜けなどを採用しても快適に過ごせるなどのメリットがある。しかしそれ以外にも、「ヒートショック」防止に大きな効果があると言われている。
ちなみにヒートショックとは、急激な温度差によって受ける身体的ダメージのこと。暖かい居室から寒い浴室やトイレに移動したときに、温度差で心臓発作を起こしたりする例などを耳にしたことはあるかと思うが、それである。一説によると、年間1万人以上がヒートショックにより命を落としているという。
しかし全館空調であれば、家中の温度が一定に保たれるため、ヒートショック発生のリスクがかなり低減されるという。
換気機能も備え、手入れの手間もさほどかからない全館空調だが、気になるのは電気代。特に電力不足の今、必要電力量が多い設備は敬遠されがちであり、全館空調はその点で躊躇してしまう。
しかし、同社によると、ルームエアコン5台導入した場合と、全館空調システムを導入した場合とでは、全館空調システムの方が省電力になる、とのこと。これは意外である。
太陽光発電+蓄電+売電で光熱費ゼロへ
とはいえ、「3~4台で我慢できれば、その方が安いよ」と思う人も多いはず。
そこで、同社では、太陽光発電+売電+蓄電のシステム「電気代ゼロシステム」を、この住宅では提案している。
まず太陽光発電システム。モデルハウスには1枚195kWのものを45枚搭載しており、8.775kWの発電能力を備えていた。これを基にした同社試算だと、「売電料金が支払い料金を上回る」ことになるという。
そして特筆すべきが家庭用蓄電システムの搭載だ。太陽光発電システムで余剰電力を売電しつつ、さらに太陽光発電や深夜電力から蓄えられた電力を、いざ「停電」というときにも使うことができるというもの。万が一の際、非常用電源として「消費電力が大きい家電を除けば3時間程度は持つ」とのこと。3時間といえば先の計画停電で1回に実施される時間しほぼ同じである。その間蓄電池で「電気のある」生活できるということ。これは非常にありがたい。
さらに健康配慮、快適性追求として、水の取入口に同社オリジナル浄水器「たからの水」の浄活水装置を設置することで、家中すべての生活水を浄活水として利用できる。
また、風呂も同社が水流研究の専門企業と共同開発した「たからのマイクロバブルトルネード」という浴槽を導入。浴槽に浸かるだけで洗浄効果、リラクゼーション効果、温浴効果が向上する商品だという。「垢がたくさん浮いてびっくりされるほど、洗浄効果が高いのですよ」(同氏)とのことだ。
その他ベタ基礎の採用や、構造強度を上げるために軸組工法に面工法を組み合わせて採用するなど、建物の耐震強度を向上させるための工夫も採用した。
ちなみに家庭用蓄電池、浄活水器、浴槽などは、マンション事業を進めていくなかで特に反響の良かったものを、住宅事業にも採用したものだという。この辺りにマンション事業者が作る家、といった特徴も見え隠れする。
坪単価60万円!ハイクオリティ・ローコストを実現
これだけの機能・設備を備えていながら、価格は「モデルハウスと同等で坪60万円前後」というから驚きである。100平方メートルで2,000万円弱。非常にお手頃ではないだろうか。しかも、一般的にオプションなどを積み重ねていくことで価格が跳ね上がってしまいがちだが、この商品ではこれだけの設備が標準とのことなので、ここからあまり価格増を考えなくて済む。
このローコストが実現できたのは、同社が施工業者と直接取引することで、不要なマージンを排除したことから実現できたという。
同社では、投下資本回収までに時間がかかるマンション事業を補完するためにも、この注文住宅事業を、戸建分譲事業とともに積極的に進めていく方針だそうだ。
“省エネ”で、“健康”な生活ができて、“快適”に過ごせる家。興味がある方はぜひ「ハウジングワールド立川」まで足を運んでみていただきたい。(RN)