噂の“Wine Apartment”をレポート
このサイトをご覧になっている方の中でも「ワイン好き」という方は多いのではないだろうか。記者も然り。毎日の晩酌は欠かすことなく、その際飲むのはほぼワイン。スパークリングも、白も、赤も好きで、特に好きなのは辛口の…と、この話はこの辺でやめにして…。 先日、ワイン好きには気になる賃貸居住用物件が、東京都渋谷区に完成した。その名は「Wine Apartment」(渋谷区神泉町、総戸数18戸)。ワイン愛好家や専門家をターゲットに、“ワインライフを満喫できるマンション”として、イノーヴ(株)(東京都板橋区、代表取締役:鈴木貴幸氏)が完成させたものだ。 ワインと聞いていてもたってもいらず物件を見学してきたので、レポートする。
管理人は“ソムリエ”
京王井の頭線「神泉」駅。そこから隠れ家的な飲食店が点在する道を4分ほど歩くと、「Wine Apartment」に到着する。鉄筋コンクリート造地上10階地下1階建て。おしゃれな「Wine Apartment」のロゴ、そしてガラス越しに見えるワインボトルのオブジェにわくわくしながらエントランスラウンジに入ると…。
そこには一人の男性が。彼は同物件の管理人を努めるプライベートソムリエだ。入居者のワインの管理から嗜好・要望に合わせたワインの取り寄せ、パーティなどでのソムリエサービスなどまで、一手に引き受ける。入居後は、ソムリエ主催のテイスティングサロンも予定されているそう。単独でソムリエを雇うのはとうてい無理な話だが、ワイン好きが集まれば可能となる。それが現実化したのがこの物件だ。
週末には入居者とその招待客へ、ウェルカムワイン・スパークリングワインが無料で振る舞われるが、そのサーブもこのプライベートソムリエが行なうという。
彼の背面には、照明によって輝く100種類の高級ワイングラスが並ぶ。これは入居者に無料で貸し出されるためのもの。ワイン同様、グラスにもこだわる、まさにワイン愛好家のためのサービスだ。
地下には、最大で約1万本の収納が可能という巨大カーヴが開設されている。温度・湿度が安定的に管理されており、セキュリティもしっかりしていることから、ヴィンテージワインも安心して収納しておくことができる。またワインカーヴへの収納・取り出しは入居者自身でいつでも行なうことができるというのも、この物件の大きなメリット。「ワインカーヴサービスを提供している事業者はほかにもありますが、自宅から遠い場所にあると、取り出すにも日数がかかります。ここは、取り出したい時に取り出せるため、『あのワインを今開けたいのに…』というストレスがなく、これは愛好家にとっては大きなメリットとなるはず」とは、同社広報の森田氏。その場で開栓してテイスティングできるスタンディングテーブルも設置するなど、ワイン愛好家の心理をとことん追求した設計となっている。
人気の「遠藤利三郎商店」が1階に。料理のデリバリーもOK
1階には、予約のとれないワインバーとして評判の高い「遠藤利三郎商店」(東京都墨田区)の支店を誘致(11月28日オープン予定)。墨田区以外への初出店となる店舗が階下に存在するという希少性も、入居者にはたまらないポイントだろう。なお、店内へのワインの持ち込みOK、居室への料理デリバリーサービスなどのVIP待遇が入居者には用意されている。
専有部は、42.01~45.60平方メートル。来客時にも広々と使えるよう、全室STUDIOタイプを採用。ワインの樽として使用される、ワイン愛好家にはなじみの深い木材であるオークの無垢材をフローリング材として使用しているほか、26本収納のワインセラーを備えたテイスティングカウンターを設備されている。またテイスティングカウンターの上部には、ワイングラスを収納できる棚も備えた。
キッチンは「ワインを好まれる方は、お料理にもこだわる方が多い」(同氏)ことから、ガスの3口・ビルトイン電子レンジ付オーブンを備えたシステムキッチンを採用と、ここもワイン愛好家にはたまらないつくりだ。
国内外から取材が殺到
ここまで際だったコンセプトのもと開発されたこちらの物件。注目度は非常に高く、Facebookページの「いいね!」獲得数は1万7,351人にも及んでいる。取材には国内のみならず、海外からもマスコミが多数訪れているという。
ワイン愛好家の他、ワイン関連事業に従事される方、その他料理教室を主宰される方などからの問い合わせがあったとのこと。賃料は23万9,000~25万8,000円、管理費は2万円と相応に高額だが、オープン時までにすでに7割の住戸に予約が入ったいう人気ぶりだ。なお、同様のコンセプト物件の展開を模索する海外投資家からの問い合わせも相次いでいるという。
入居が進むと共に、ワインを通じた交流促進が図られ、新たなビジネスなども生まれたりするのだろう。そういう意味では、ワインを楽しむため、ワインを収納するためだけでなく、さらなる+αを得ることも期待できる物件と言えそうだ。(NO)