以前このコーナーで、入居者のために食堂をオープンさせた神奈川県相模原市の不動産会社の取り組みを紹介した(https://www.re-port.net/article/topics/0000047259/)。今回も、同じ神奈川県伊勢原市にある不動産会社がオープンした食堂を紹介したい。その名は「めぐみキッチン」。こちらは、地域の方に健康でおいしい食事を提供するというミッションを掲げる一方、営業日ならいつでも食事を食べることができる「こども食堂」の機能も兼ねている。取材した。
◆無農薬野菜、発酵レシピの健康に良い食事を提供
日本遺産に認定された大山(おおやま)の玄関口である小田急小田原線「伊勢原」駅。ここから徒歩約3分に位置するのが、(株)めぐみ不動産コンサルティング(神奈川県伊勢原市、代表取締役:竹田恵子氏)が運営する「めぐみキッチン」だ。もとは酒類の小売店だった建物をリノベーションして、体に良い発酵調味料を用いた食事を提供している。
提供するメニューの中心は、野菜たっぷりの「めぐみプレート」。焼き魚(鯖、鮭)、ハンバーグ、サラダチキン、から揚げなどの複数の主菜からセレクトする。サラダをはじめとする複数の副菜が付く。
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ごはん(白米・玄米をセレクト)、みそ汁がセットで、価格は1,100~1,600円。グルテンフリーで、調味料も、砂糖は上白糖を使わずキビ砂糖やアカベシロップ(アガベという植物由来の天然甘味料)を、塩はミネラルを含んだ天然塩を使用といった具合に、徹底して体に良いものを取り入れている。野菜は、同社が運営する「めぐみ農園」で収穫した無農薬野菜をふんだんに使用。徹底的に健康にこだわったメニューを提供していることもあり、「遠方から、わざわざいらしてくださるお客様もいらっしゃるんですよ」と語るのは、めぐみ不動さんコンサルティング代表取締役の竹田恵子氏だ。
カフェタイムには、米粉ケーキ、米粉ドーナツ、パフェなど、同じく体に優しいカフェメニューも提供、ディナー営業もしており、地域で働くサラリーマンから近隣のファミリーまで、終日幅広い人たちでにぎわう。
◆ディナータイムは、「こども食堂」の機能も
この店舗はもう一つの顔が、常設のこども食堂だ。子供向けにメインと副菜のプレートを用意し、小学生以下の子供に330~550円(メニューにより変動)提供する。シングルマザー、非課税世帯には、こども(中学生以下)200円、高校生以上(保護者含む)550円でプレートメニューを提供する。有料での提供としているのには、理由がある。「ただで食べられるというようにするのではなく、『お父さん、お母さんがお金を払ってくれるから自分たちがご飯を食べられる』という意識をもってもらうことを考え、200円と設定しました」(同氏)。
一般的にはこども食堂は開催日を決めて実施するケースがほとんどだが、「食事は365日必要なもの」と、営業日であれば、いつでも提供。さらに、店内には小あがりのキッズスペースも用意し、子供たちは家で過ごしているかのように楽しみながら食事できる空間としている。
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なお、めぐみキッチンの調理を担当するのは、一般で募集したパートタイマーの人のほか、めぐみ不動産コンサルティングが運営するシングルマザーシェアハウスに入居しているシングルマザーも。副菜を日替わりとしているのは、めぐみ農園での収穫内容により提供メニューが変わること、さらに「調理する人が変わりますから味付けやメニューが変わってもいいよう、副菜は日替わりとしています」(同氏)。苦肉の策ともいえそうだが、結果として毎日違う、家庭のほっとする味を提供できており、それが同店の武器にもなっている。(後編につづく)