海外トピックス

2003/11/4

vol.1 アメリカン ドリームその1

アメリカ国旗を記念日だけでなくつねに飾る家も見られる。国旗はアメリカ人としての共通意識(アイデンティティ)になるようだ。
アメリカ国旗を記念日だけでなくつねに飾る家も見られる。国旗はアメリカ人としての共通意識(アイデンティティ)になるようだ。
ついこの間まで広大なとうもろこし畑だった土地に建ち始めた大きな郊外の家。まっかな新車がまぶしい。
ついこの間まで広大なとうもろこし畑だった土地に建ち始めた大きな郊外の家。まっかな新車がまぶしい。
芝生や庭の手入れをするメキシコ人。6、7人で手入れが必要な大きな家もある。春から秋までたいていは週に一度やってきて手入れをする。冬には雪かきを請け負う。
芝生や庭の手入れをするメキシコ人。6、7人で手入れが必要な大きな家もある。春から秋までたいていは週に一度やってきて手入れをする。冬には雪かきを請け負う。
床仕事をするビクター(右端)と社員達。ビクターの他は誰も英語がしゃべれない。シャイだが暖かい人々である。まん中は私。
床仕事をするビクター(右端)と社員達。ビクターの他は誰も英語がしゃべれない。シャイだが暖かい人々である。まん中は私。
メキシコからよりよい暮らしを求めてシカゴにやってきたビクター。
メキシコからよりよい暮らしを求めてシカゴにやってきたビクター。

人々は夢をいだき実現する為に努力する。アメリカンドリームとは、アメリカ人共通の自己意識を共有しつつ、アメリカ人としてのウエイオブライフを体現する事だろうか。さまざまな国からの移民により成り立っているアメリカは現在でも続々とよりよい暮らしを求め、アメリカンドリームを胸に世界中から移民がやってくる。

メキシコからやってきたビクター

時々床コーティングの仕事を依頼するビクターというメキシコ人がいる。仕事を求めてやってきた一世であるが、10年前にはあなぼこだらけのぽんこつ車でやってきて、中古で買ったという30kgもある床みがき機片手にビクター自身が床直しとコーティングをした。安いしよく働くしいい仕事をする。7年前にはビクターはメキシコ人の助手を一人連れてき、5年前には3、4人の助手、いまや自分では床コーティングはやらずに仕事をとり、助手に任せる社長となった。コンピューターでうった請求書はいくつか英語の間違いがあるにしろ、通用する。もはやぽんこつ車でなく立派なSUVに乗っている。家も買った。ビクターは着々と彼のアメリカンドリームを実現しつつあるように見える。

土日、昼夜を問わない労働

くさい、危険、汚いなどの仕事は昔から後発の移民一世が引き受けた。なぜなら学歴がなく、英語がしゃべれず、持ち金もなかったら、仕事は限られていた。しかしともかくも仕事があり、働けば金になるという事はどんなに素晴らしいか。メキシコだけでなく、ベトナム、カンボジア、ポーランド、インド、チェコ、ロシア、コロンビアなどから働く機会を求めて今も続々と移民がやってくる。かれらは土日もなく、夜遅くまで働く。倹約し、自国に仕送りをしたり、貯金して家と新車を買い、アメリカンドリームを実現してゆく移民達、、、。上記のビクターはどこにでも見られる例である。

郊外一戸建ては根強い「ドリーム」

アメリカンドリームと言っても人により様々だろうが、そのひとつとして郊外に家を持つ事があげられる。現在、シカゴ郊外の新築一戸建て住宅の購入者20%が何と外国生まれ、というから驚く。彼等の背後にはそれぞれの様々なストーリーがあるのだろうが、共通しているのはよく働き、倹約し、家取得をめざし努力した事だ。センチュリー21社のヴァンディビス氏は、ここ5年間、一世移民達が家を郊外に購入し、特にふくれあがるヒスパニック系はこれからの20年間、はじめて家を購入する層の中心になるだろう、と指摘する。(5月11日シカゴトリヴューン紙以下同)ダグラスダンカン氏(Mortgage Bankers Association of Americaのチーフエコノミスト)も、以後20年間、現在の住宅購買層である一世のさらに子供達によって約4億2,000万円が住宅セールス売り上げに加えられることになるだろう、と同紙に予測を寄せている。1989年の入国特例法以後急増したヒスパニック系は14年経て、現在家を買うだけの力を貯えたようである。不動産エ-ジェントはこの動きにどう対処しているだろうか? この動きをどう把握し展開するかによって、新しい分野をさらに開拓できるのではないだろうか? 異文化の理解とコミュニケーションと言っても、そう簡単ではない。しかし、手をさしのべる努力によってアメリカンドリームを共につかむ手助けが出来るはずだ。不動産ビジネスはその力強い推進力になりえるような気がする。

明美コーン

コーン 明美
横浜生まれ。多摩美術大学デザイン学科卒業。1985年米国へ留学。ルイス・アンド・クラーク・カレッジで美術史・比較文化社会学を学ぶ。 89年クランブルック・アカデミー・オブ・アート(ミシガン州)にてファイバーアート修士課程修了。 Evanston Art Center専任講師およびアーティストとして活躍中。日米で展覧会や受注制作を行なっている。 アメリカの大衆文化と移民問題に特に関心が深い。音楽家の夫と共にシカゴなどでアパート経営もしている。 シカゴ市在住。

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